すでに終了した最近の製作ですが、この製作は “ 良い ” 作業だったな、と。
その “良い” とは…
組み立てられている物は‘石造り’の洋館、といったところでしょうか。
その仕上げ着彩。
↑はそれら躯体パーツ中の丸柱を仕上がり後に撮影。全部で8本あったうちの1本だね。
要求される見栄えは?
図面には彩色イメージ無し…か。
大道具製作さんサイドには口頭でのみ指示があったようで、
白い建物で、だけど舞台大道具らしく“よごし”が欲しい・・・その上で高級感は損なわず…。
この、よごし の意味も様々で捉え方は千差万別…とそれは置いておいて、とにかくイメージの受取手としてこちらは対応しなければならない。
1度目にこの作りを見たときは表面には石の質感が足してあってそれが白塗りで…
数日後、いざ製作に行ってみると、かなり落ち着いたベージュへと塗り替えられていた。
色々やりとりがあってのこの結果、といった様子。
でもとてもいい色!照明があたってシックな白、アイボリーくらいに見せるにはちょうどいい。 すばらしい!
そこでこちらがやるべきは…
下地色は殺さない、無駄にしない。
よごしだからといってトーンが落ちすぎたり、調子を付けすぎたりして汚れたようにならぬよう。
思い切り作業するのではない、かといって ‘ 何となくやってあれば… ’ くらいの気持ちで取り組んでは全体の大きな様子はとらえられない。
んじゃ、何をするのかとなると、よく見定めることに時間を割く…かな。
出だしの調色から、タッチの置き加減から、吹きつけの入れどころとか・・・
色々と自分のイメージを伝えながら。
100パーセント端から端まで描けばいいってモンじゃないところが良いところであり難しいところ。
吹き付けが非常に悩めるところで…燻った感じになりかねない。それじゃNGっ、絶対だめ!!
これも全体を想像しておぉーきく捉えて大胆かつかなり繊細に吹く、ほんのりほんのりと。
立体物だからね、難しい。
もしかすると周りから見たらあまり難しい作業してないように見えるかもしれないけど、観察に時間を費やし、狙い澄ました作業なんだね。で、その果てに生まれた良い結果だった。
無駄なく、そつなく…
職人的であり、無論絵心ありきで、それを立体物に対して数人で全体の秩序を持って完成させるという・・とても難儀だけどとても素晴らしい作業をさせてもらえる機会となりました。
● 静かなるー
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