2009年12月30日水曜日

犬の石彫で締め。


2009, 仕事納めの日。

今日の朝はゆっくりアトリエにむかった。10時くらい。


年明け最初の作業のためにやっておくべき事がある。


石の造型物は2体ともすっかり色が変わったところで、仕上げに向けて細部の作業にかかろう。

〜眼の周り〜

写真の中、右の方は既に乾いている部分。

そして中央付近はトーンが違うでしょ?
その辺りは今日新たに石材を盛り付けたところ。乾いてないから余計黒く見える。


写真にはないけど、犬の口の中ももちろん作り込む。
特にこの1体は、下から見上げられる事になるから上顎内に気を遣わなければ・・・



・・このような作業を身体のパーツごとに施し、これで年内の作業を終了させた。


じっくり乾燥させて、年明けからはまたもう一度彫り込みへ。



来年はまずこのお仕事と、それに舞台美術の仕事(バレエのドロップor紗幕)が待っているようだ。

2010年もよい仕事が残せるように!




● 犬の石彫で締め 




・・・帰り道、昨晩一緒に飲んだ同級生のSAIチャンのところへ。
額装されたあるものをいただいた。"あるもの"に関わる話、すぐにここで書くよ。
ありがとう!!そして来年もよろしく〜。



2009年12月28日月曜日

黒い化粧 - 石彫はつづく

 
犬2体の石彫。

今週からはついに仕上げ行程へ。


週末を挟んで下地がよく乾いている。


さぁここからはより丁寧に"対象物"と向き合おう!

仕上げ用の石材を用意。ここまでの苦労が今日から報われることになるぞ。


今まで石の色は白かったのに、今日からはがらりと変わった。
そのほとんどが"黒色"へと変わっていった。


言い方はよくないかも知れないけど、
なんか落書きを始めたんじゃないかと思えるほど色が反転したから、
色の変わり初めはいたずらをしている様だった。


今日は顔の周辺から手をつけ出した。
やっぱり顔の表情となると好みは千差万別、
なるべく当の犬に似た表情を作らなくては!
今日はそこに時間を割いて次に手を入れるときのために形を探った。


顔が終われば当然首から先、尻尾まで仕上げ材でコート。

もう一体も色が変化し、より現実味、存在感が出てきた。


明日もじっくり時間を掛けて、今度は足や胴体の表情作りへ!


噂通り暖冬では?と思えるくらい
ここのところ天気に恵まれて(?)いるから、作業面では助かっています。


・・明日は写真撮ろ(反省)。


● 黒い化粧 - 石彫はつづく

2009年12月26日土曜日

舞台美術背景画師→彫刻/造型家に転身か?

 

自分はもちろん舞台の背景画師だが、現在めっきり造型家になっている。



それもそのはず、先日まで関わっていた夜景の紗幕も納まり、石の造型に専念しているから。

お手伝いではあるが親方さんと、モデル犬の雰囲気、そして足、顔など各部分の骨格や表情などをお互いで確認し合いながら彫ったり盛りつけたりしている。


とてもよい勉強になる。

絵描きだからスケッチというものをすることはごく普通のことだが、
今回は "犬 "を当の立体彫刻物をさわりながら形にしているから、
描いてはいないんだけど犬のスケッチをさせてもらってる感じ。
普段、人の骨格や筋肉の付き方などは意識しているけれど、
犬の身体の構造をこんなに熱心に注視(図鑑も使っているので)したことはない。


おそらく何かの機会に犬を描いてくれと言われたらより説得力のある犬が描ける気がする。
このようなお仕事のお陰でいつもとは別な視点から勉強させてもらえてるなぁ。
制作物があるからこそ自分の身になり、今の自分があるのだから。感謝!
しかも楽しく作らせてもらってます!


この週末で出来るだけ乾燥させて、いよいよ来週は仕上げの段階へ。
でもまだまだステップは多い…慎重に。


● 舞台美術背景画師→彫刻/造型家に転身か?

2009年12月25日金曜日

クリスマスカード:UKより

 

 

今年もEnglandの友達からChristmas cardが届いた。

遠い国からの便りも嬉しいねー。

飛行機だけでも12時間はかかるところにこちらを気に掛けてくれる人がいるっていうのは、
いくら時代が進んでもやっぱり何だか不思議だし嬉しいな。


e-mailならなんてことはない時代なんだろうけど、
Air mailではるばるやってくるこの便りは国内便ともまた違って、
普段にはない思いを巡らすことが出来る。




— この日記は残念ながら日本語のみ(笑)だけど、
たまには見てくれているかな?
It's very nice to hear from you, Jooohn! Cheers!! :)

・・・New year card 書かなきゃ。



● クリスマスカード:UKより

2009年12月23日水曜日

石彫(犬) ー 作業経過


続いて石彫制作です。

" 石彫 " といってもこのお仕事では岩のような石から彫り出している訳ではない。

どちらかと言えば

" 塑像 " だね。


ある石質の素材を練って、それを盛りつけて形にしている。


本当の石彫は経験がないから分からないが、塑像は経験している。
形をとっていくことはなれているからこの彫塑作業はそんなに問題なく出来る。


今日は2体いるわんちゃんの内、大きい方をメインに作業。


1段階目の下地の盛りつけから今日はその第2回戦!
今回からは仕上げの素材を使っていくと共に形もかなり気を遣いながら盛りつける。

全長が180cm程なので全体のバランスを見ながら
そのボリューム感、フォルムの流れ、
緊張感や硬い柔らかいといった表情の違いをどう持って行くか等、
気を配るところが満載だ。


尻尾・部分


この大きな方の完成形は、
この犬が走り回っているその一瞬を納めた写真をベースにした形になる。


きょうの盛りつけではまだ厚みが足らない。乾燥後にもう一度肉付けだ。
だけどこの段階の形の取り方はすごく大事。
この時点での作業の方向付けが仕上げに向けてかなり影響してくるから。


まだ先だけど、仕上げの段階には色が付いた素材を使用するそうです。

そこに向けていい形に持って行きたい。




● 石彫(犬) ー 作業経過





2009年12月22日火曜日

夜景紗幕と石彫と

 
今日は珍しい一日。


本業の舞台美術背景画師であり、また、石彫も行った。


朝は石彫の手伝いのお仕事から。
といってもまず朝一でこの石彫仕事の親方さんと共にその依頼主のお宅へ。

その彫刻のモデルになっているワンちゃんを直に拝見させてもらいました。

親方さんの提案でもあったし、観察させてもらえて良かった。
もちろん制作中は写真も手がかりにするが、
最終的には今日見させてもらった当のワンちゃんが持っている雰囲気に近づかなければならない。最終的と言ったけれど、現時点での作業は大事だから。
絵も一緒だ。下地で作る"勢い"や"大きな物の捉え方"がしっかりしてなきゃ仕上げ時に説得力が無くなってしまう。

・・とまあこの辺にしておいて…

その後はアトリエへ移動して作業だ。


石彫と言っても石化する素材を盛りつけていくというもの。
その後に彫ったりもする。


今日は作業行程の都合により、途中、先日からの絵紗幕制作でも手を入れた。
ただしこちらはほぼ仕上がり。だから整える作業。


横たわる自由の女神上半身。

この紗幕の足下の方に描き込んだモノだが、
元の図面には無いものだからあまり目立たぬように。
この後少し変化をつけて存在感を操作。

ちなみに左にちらっと見える道路(に見えるかな?)
を挟んでその向こうに
この女神像の崩れた下半身がある。



これらは前回言ったようにテーマに近づかせるために描き足したもの。
ほかにも色々な要素がこの紗幕一枚の中に入っています。


そして石彫の方も片方の一体の2段階目のもりつけがおわりました。
彫刻をしていると無心になれる時間があるよね!?


明日はもう片方の大きいわんちゃんを進めます。




●夜景紗幕と石彫と

2009年12月21日月曜日

2010に向けて

 
 
2009年もあとわずか。

先日本屋で購入したものは、


新潮文庫
“マイブック” 2010年の記録


です。



この本は、開いても日付が書いてあるだけ。あとは白紙。
その名の通り ' 自分の本 ' だから自らが著すもの。
2009年版もあるようなので、今年この本を書いている人は沢山いるのではないでしょうか?。


手帳代わり、舞台美術に限らず何でも覚え書きとして、それからここの日記ネタの為 (笑)等々・・・



どんな本になることやら・・。

あとがきも書けるようになっているな・・

毎年がそうだと思うけど、

2010年

記憶に残る、記録に残せる年にしよう!




● 2010に向けて

2009年12月18日金曜日

オペラ絵紗幕—夜景

 

今日はお昼過ぎまで引き続き絵紗幕の制作。

簡単に言うと、

—夜景—

です。  …が、


テーマは過去、現在、そして未来へと繋がっていく人類の始まりから繁栄、退廃、そこからまたあらたな希望に向かって…


このセットデザイナーさんのイメージ・コンセプトすべての的を得ている解釈ではないけれど、私的にはこの様な表し方だ。
コンサートの楽曲セットリストがもちろんこのイメージに絡んでいる…。

ということで、それはそれはとても考えながら作画してます。


…続きはまた後で書き足そう。

いつも都合によりほんの一部しか掲載できないけど、
写真もなきゃね。
どんなものかは文面だけではなかなか難しい…。

午後はあるバレエの舞台装置を見させて頂く為に新宿方面へ。
大変勉強になりましたっ!

だから今晩はバレエのセットの事で頭が一杯になっているけど、
明日はまた頭を切り替えて紗幕に取り掛かろう!

テーマに迫る、そしてデザイナーさんのイメージに限りなく近いドラマチックな絵を目指して!!


手強いのでちょっと腰に来てますが(笑)。
アトリエの親方さん、明日もよろしくお願いします!


★オペラ絵紗幕—夜景—

2009年12月17日木曜日

最近は・・・紗幕/コンサート(オペラ)2010

 
最近はこの日記が飛び飛びだ・・・

年末・・

・・事務仕事をやらなければならないし、
舞台の仕事が入ればもちろん美術の絵描きさんになる。

そうかと思えば彫刻(石彫の類)の仕事を手伝わせてもらったり・・・。


そんな中、この数日、そして今日も本業の絵描きをやってきました・・


最近取りかかっているのは紗幕への描画。

年明けすぐに使用されるモノ—オペラコンサート。


いつもより面積がある。
W12間 × H6間 およそ22m×11m




描いてる内容はまた今度。

・・・今日は早く休みます。






最近は・・・紗幕/コンサート(オペラ)2010

2009年12月11日金曜日

黒布に薔薇・ドロップ-コンサート舞台セット

 
コンサートの舞台セット用ドロップ。


いつもお世話になっているアトリエに行くと・・今回は黒布に描くようです。

ただ、セットデザイン全体像・エレベーションは伝わってきていないので
他の道具とのかかわりは分からず。・・よくある事で慣れてますが。


葛城黒布。


そのセンター付近に巨大な薔薇の花が7輪まとまっています。

その周りには花びらが舞っている。


とても分かりやすく大胆な構図。
だから舞い上がった花びらも、
←こんな感じ。これでも小さい方です。
写真に収めやすかったのでこれを撮ってみました。


左下隅にA3用紙の図面があるので比較参考になるかな?




デザインも原画というわけではなく、図面にとどまっている感じ。
だからこれらの花の絵的な仕上がりはこちら背景画師側のさじ加減1つだ。




制作時間に追われる事になったが何とか仕上がった!

メインの大輪の薔薇たちはさすがに手強かったです(汗)。




このあとは要所要所にスパンコールがつけられるのだそう…。

ある演歌歌手のコンサート用ドロップのお仕事でした。





黒布に薔薇・ドロップ-コンサート舞台セット

2009年12月8日火曜日

Monthly Photo=バレエ・くるみ割り人形デザインから


Home Page 更新のお知らせ。

12月ならではのセレクトにしてみました。

20th 清里フィールドバレエ
くるみ割り人形第一幕
切り出し"上手"パネル
セットデザイン画





編集都合上、“上手” 限定になっていますが悪しからず・・


では、こちらからどうぞ。m(_ _)m


>> PHOTOS:ART DOMINO




アップ作業をしていると色んなことが思い出される。

・・・制作で現地入りしたときは天気も安定していた。ステージ設営を含め屋外でのセット制作だから空模様が気になる現場。

だけど制作期間も後半戦、雨が多かった。

なんとかくるみ割り人形のセットが仕上がり他演目の道具の準備も進んだのだが、公演期間中も雨雲を眺める日ばかり。

しかし!1公演を除く他全公演で幕は開いた。

本番は、雨に悩まされる事が多く主催者である萌木の村社長及びバレエシャンブルウエストの先生方は苦渋の決断を迫られる毎日で、非常に流動的な進行となった。雨の中でじっとしたままでの鑑賞は耐え難いはず…だけどお客さんは待ってくれていた!・・・


来年は21回目のフィールドバレエとなる。
僕はこれだけの歴史を築いてきたフィールドバレエの大きく大切な節目に関われて光栄だ。
これからもこの素晴らしいバレエ公演はずっと続いて欲しいし、また存続していくものと信じています。

自分が何処へ行っても勉強になることばかりだが、ここは特に自分を成長させてくれる場所だと思う。
次回からもこの現場に会するみなさんから多くの刺激とご指導を頂きながら、
自分なりに"良いと思うモノ"を提示していこう。




Monthly Photo=バレエ・くるみ割り人形デザインから

2009年12月5日土曜日

バレエ美術セットー柱カットクロス幕

 
これはバレエの舞台美術用、カットクロス幕。


その下絵だ。

タッパは5間、およそ9m。
幅は - 支柱部分で3尺弱、80cm程といったところか。

そして1対になるのでもう1枚が隣に敷いてある。

この後は下塗りやカット作業他、縫製、ベニヤ切り出しが待っている。

バレエ用だから想像の世界が少し盛り込めるといいな。

絵として、
バレエはおとぎ話のような世界と、
一方で現実的な要素(制約なども含めて)も必要だったりするからとても面白い。
デザインから実制作までがとても自分に合っているなと常に感じる。
色々な感覚がフル稼働する感じかな…。





バレエ美術セットー柱カットクロス幕