2010年12月31日金曜日

背景絵幕制作過程-no.3

 
 
長めのトンネルを抜けたらそこは…大晦日とは・・・


クリスマスっぽくないなぁ、とか2010年が終わる気がしない、と思ってたら…終わるんだね、ちゃんと。


・・・なのにタイトルには季節感がない・・・前回に続いて背景幕制作過程をお伝えします。


元気よく行きますよ。


・・・前回の続きを!と少し書きためていたにもかかわらず、そして年末の慌ただしさもそこまでは感じていなかったにもかかわらず・・・いつの間にか飲み込まれて。

はい…えぇ…、しっかり年末ですね。

ここのところ新春物の制作に携わっていました。あ、そうそう、簡単に言うと“夜景” 大パノラマを描かせていただいていたのですが、ナイトシーンを構築することに専心していたからか、新年を迎えるという感じが薄かったのかも知れません。


で、話を戻すと・・・お知らせはしたかったのに…今日は紛れもなく年末も年末。
今お伝えしなくては! 






















前回は下準備のところで終わっていましたね。


突然だけど、ここまで着彩した段階へと飛んでしまいました。*o*


もう少し段階を踏んでご紹介しようかと思っていたのですが至らず +_+、…先へ進むことにして・・・







柱部分は、スタジオ所有の単独の大理石柱幕と同じデザインのレリーフも盛り込んだ。

そしてこの上下(左方向が天・右が地です)を大理石が挟んでいるデザインになっています。














このブログに使う予定だった写真があったのを忘れていました。


←こちらを載せる予定でした。


順番ではこれが先にならないとおかしいですが。^^

床面が見えているところが舞台中央に来るアーチになっています。














・・・という感じで進んでいきました。

年が明けましたら完成形をご紹介致します。




2010年大晦日 —

こうして今日も綴っていますと翌年のことを考えますが、振り返れば今年も様々な方々にお世話に大変お世話になりました。

感謝申し上げたい多くの人が頭に浮かびます。


人と人はどんなタイミング、関係性で繋がりが広がってゆくのかいつも不思議に思います。

だけどそれが楽しみでもあり、自分が成長出来る試練でもあるのだと常日頃感じます。

そして最後に言葉になって出てくるのは、やはり感謝・・・ですね。皆様に感謝です。


一つ一つ、最善のものをご提供させていただきます。

そうすることでまた新たなつながりが生まれ、そのつながりが描く画が広がって行けるのだとそう思っています。


明日からはまた新たな気持ちで臨んで参ります。制作は勿論のこと、何事にも。



今年一年も本当に有り難うございました。

それでは皆様、どうぞよいお年をお迎えくださいませ。









● 背景絵幕制作過程-no.3

2010年12月14日火曜日

背景絵幕制作過程-no.2

 
 
最近は、舞台美術制作事で書きたいことはたまってはいるものの、なかなか書き込めないでいる。

自然とやるべきことが増える時期だから?…


そんな中、少しずつでも"これ"はお伝えして行きましょう。

既に始まっているレンタル用背景幕舞台セットの制作過程。


前回お伝えしたときはベース生地の縫製まででしたね。

デザインは自らのもので絵柄は決まっていたけれど、その後変更点を加えたので一部縫製のやり直し。

変更点は追ってお伝えしましょう。


では描画作業へ。





スタジオで制作保管してある大理石柱カットクロスとの組み合わせになります。







石柱カットクロスに比べこのセンターアーチは描画面積が広いので、いつも大変お世話になっているA氏のアトリエをお借りしての作業になりました。


布地を運び込んで広げたら・・・やっぱりお借りして正解。大きい・・・


そう感じるのは縫製の変更で発生した生地の継ぎ足しによるもの。デザイン図面より幅が広くなっているから。

これで安心して制作できます。感謝!



いつも制作初期段階が肝心。私的にはそうだと思います。だからこの幕も同じです。

カットクロスにするための加工があるから尚更。

ここを焦ると・・・色々あります…相手が生地なのでその点でも。^^







左の写真では石柱カットクロスと同タイプの柱が下当たりされている。



このアーチ幕にも大理石柱が描かれます。









・・・画像は飛び飛びですがこんな感じで制作過程をお伝えいたします。今回はここまでっ。




● 背景絵幕制作過程-no.2  

 

 


2010年12月7日火曜日

酉のイチ

 
 
昨日、仕事帰りに町内で開かれた酉の市に立ち寄った。

通常は11月の酉の日に行われる様ですが・・・


用事があって普段通ることの少ない道順で帰ったら、人通りは多いし灯りが見えて、音花火が鳴って。


何も知らずにたまたま、でした。


・・・今まで酉の市に出掛けたことはない。

興味はあったけど。いつも知らないあいだに終わっているもの、って感じの存在でしたね。


でも今回は良い機会・ご縁だと思って車を駐めて。お参りだけでも…って行ってみた。
・・・それに、特にお祭り好きではないけれど、屋台の灯りが呼んでいるし。笑


沢山ありましたねぇ、縁起物の熊手たち。

大きい境内ではないから熊手屋さんも少ないんだろうけれど、なにせ初めてだからどこを見るべきかわからず・・・十分な数の熊手。

折角だから一つ買っていこうと。・・・まずは小さい熊手から。

小振りな熊手に照準を定め、もう一度ぐるっと見て回って。

お店によって色々だね。


小さくても派手なのもあったな。・・・でも自分らしくないから渋いのを選んで。


紫の色紙背板の付いた太いしめ縄が主役(猫付き)の熊手。・・・渋い…





熊手屋に威勢の良い手締めをしてもらっている人、大きくて派手な熊手を肩に背負って帰る人・・・


偶然訪ねた酉の市。

この歳になって初めて見る光景。



自分も技術を売っている身・・・この酉の市を境に来年も!

もう一回り大きい渋めの熊手にしたいな。




● 酉のイチ
 
  
 

2010年12月6日月曜日

地上絵? ー 舞台絵幕

 
 
舞台幕 顔面のみ単色描き

です。


しかも描画面となる舞台幕にそれだけを描くワケで…顔がでかい!




・・・こうなると顔を描いている感覚は全くないから。






とはいっても、あるアーティストの顔。 引いて見たときに似てなくちゃ・・・


だから部分部分を丁寧に下当たり。


さっきも言ったように顔を描いている感覚はない。


アタリながらも、実際に視界に入っているものはと言ったら‘奇妙な形’ばかり。

ただひたすら形を追い続けます。


元来、顔を描くとき…というかデッサンを取るときは顔もただ複雑な形あるものととらえそれを描写していく、ということなんだけど、今回のこればかりはそれも関係ありません。

何処かの地形、地図でも描いている感じ。単色だから余計、ね。


一通り皆で塗り分けて引いて見る・・・顔、でした。

大きい形だから吊さないと本当のバランスは分からないけど、ちゃんと本人に似ているようです。^^






● 地上絵? ー 舞台絵幕
 
 
 

2010年12月3日金曜日

Webページ更新のお知らせ ー 絵紗幕・夜景都市

 
 
今年のカレンダーもぺらぺらになってしまいました。・・・ホントに年末?

という感じですが皆様いかがお過ごしでしょうか?


さて、こちらの更新も今年最後。

2010年12月の “今月の一枚” ページは?・・・


時期的に連想するものが “イルミネーション” なものでして・・他の背景幕を選んでもどうもしっくり来なかったので昔のものですが、

↓こちらを選びました。
https://sites.google.com/site/artdominoworks


夜景 — 近未来的な都市空間


この紗幕はほぼモノトーンで描かれ、ライティングで色染め。
舞台では照明さんが腕を振るいます。

画面上方から放射状の灯りの道筋が特徴。
その印象が強いのと、実は随所に意味合いの深い表現を持ったモチーフを描いているので、とても象徴的な背景画なのだと思います。
これのセットとなる立体装置も鋭角で現代・近未来的で大胆なデザインだった様子。
舞台上では一つ一つの道具が持ち合わせている強い主張の要素が合わさってバランスをとっていた・・・



ん?イルミネーションが似合う季節だからと選んでみましたが、
実際、この舞台幕はネオンがキラキラという綺麗な夜景を狙って作られた背景画ではない…
ですね ’_’ ? ・・・ちょっとお後が宜しくない?ですが、こうして紹介させて頂きました。

灯りは・・・舞台もよいですが皆様この時期はぜひ屋外で存分に楽しんで下さいっ。^^





● Webページ更新のお知らせ ー 絵紗幕・夜景都市

2010年11月20日土曜日

Ballet , Volley

 
 
バレエ シャンブルウエストのおやゆび姫、公演終了しました!

・・・あっという間に一週間が過ぎ、報告が遅くなってしまい・・・反省・・ではありますが、気を取り直して—


ご来場の皆様、ありがとうございました!!
今回の公演では自分も一スタッフ。皆様に感謝申し上げます。


前にも書いたように、清里フィールドバレエ版は知っていても、劇場版を観るのは初めて。
印象的な振り付けは記憶に残っているのだけれど、劇場用装置との組み合わせは新鮮でした。
だから個人的には屋内と野外公演の相違点が比べられて興味深かったですね。


モーツァルト楽曲つながりで今回併演であった

“バレルのアマデウス”

という作品に我がスタジオの背景幕飾りを使っていただきました。


今村博明先生の確固たる作品イメージに添えるかが最大のポイントでしたが、照明効果と相まって見事に溶け合うことが出来たようです!

お陰様で、自分がいつも願っている、舞台上での"ピリッ"とした空間・空気作りが巧くいった気がします。


先生のチョイスによって生まれた舞台空間・・・

そこで自分が得た感覚は今後の制作に生かせる。


ダンスもライブだけど、音楽、舞台装置、照明が作る空間もライブ。人の手が操作しているわけだし。

・・・それらの組み合わせで舞台芸術は生まれる。その場で見なければ絶対得られない感覚がある。

作り手として力の入るところです!




・・・それで、今回のタイトルは何?

公演後の撤収作業で絵幕を引き取りに向かう途中、代々木の体育館に届け物(急遽作成することになった祝幕)をすることになり、無事に納品を済ませてから劇場に向かったのですが、この日はバレエならぬバレー女子が32年ぶり!にメダル(銅)を獲得した日でもありました!!

・・・ということで大きな事柄が身の回りを一遍に通り過ぎていったようなそんな週末でした。




● Ballet , Volley


 

2010年11月10日水曜日

おやゆび姫 バレエ 定期公演のおしらせ 

 
 
間際になってしまいましたが、ご案内があります。


バレエ舞台定期公演のお知らせです。


ホームページのリンク先にもなっておりますが、夏期には山梨県清里フィールドバレエでの公演にも主演の、



バレエ シャンブルウエスト が62回目!! となる定期公演 を −

演目は・・・おやゆび姫

で開催します。



とき/ところは・・・


今週末 (ギリギリ告知で本当にすみません・・・)、

11月13日(土)・14(日) 両日とも開演は16:00〜

五反田 ゆうぽうと



です。



清里でも拝見しておりますが、原童話の様にとてもユニークなキャラクター達の舞踊で繰り広げられるバレエです。

演出・振り付けも目を惹くものばかり!脳裏に焼き付きます。

大人だけでなく、特にお子さん達はより楽しめるのではないでしょうか。
本格的な冬の到来を前に、おやゆび姫の世界でまずは心を温めにいらして下さい!!












・・・ここからはART DOMINOとしての宣伝パートになりますが・・・

本公演との併演となる演目 “バレル” の舞台飾りで関わる予定です。


バレエ団の皆さん、裏方スタッフ等の皆さんお世話になります!




● おやゆび姫 バレエ 定期公演のおしらせ 





2010年11月3日水曜日

Webページ更新のお知らせ:アップリケ背景幕_2010,11月間掲載

 
 
皆様いかがお過ごしですか?

最近、観たい美術展がどれも微妙に遠いところで開催されているのでどれも行きあぐねているアンドウです。


・・と、ちょっと美術に関わっている者らしく始めてみましたがそれはさておき・・・



アールドミノHPで今月紹介の背景幕について少し・・・。

先にリンクを載せておきます。
https://sites.google.com/site/artdominoworks/




この背景幕の構図を簡単に言うと、

人の倍ほどの高さの石壁が幅18m程有り、その両端には冬枯れの木々が配置されている。


・・・左右の木立は壁よりもずっと高いから、この幕に関しては舞台画面全体で見ると、石壁から上の部分は何も描かれていない・・・




上の写真のような状態。

生地も必要なところまでしか用意されていません。写真右上の四角く見えるグレーの部分は床ですね。


・・どうやって舞台に飾るのか?となると・・・やはり “ 網 ” の登場です。

この絵が描かれた幕と巨大なその網とが張り合わされてやっと舞台のバトン機構に吊すことが出来る。

実はこの後ろ(舞台奥側)には空バックのドロップが飾られます。そこで初めて一枚の背景として成立するものでした。


しかし残念・・・

空ドロップも併せて描きましたが、この時も劇場で完成形を見ることは出来ませんでした。

・・想像するに、舞台上にはとても臨場感のある背景を作り上げることが出来たのではないかと思っています。

デザイナーさんのプランは平面の絵が二枚の単純な組み合わせなんだけれど、こちら絵描き側が巧く空間表現することによってとても奥行きを感じさせる事が出来る。

それには画面上で色々な絵画的操作が必要なんだけれど・・・デザイナーさんのアイデアを生かすも殺すも背景師次第・・・。



でも・・それができるのは描いている人間の眼でしか有りませんっ!


人が見て描くという事が大切な作業ですし、何しろそこにやり甲斐を持っていつも制作しています。


・・・あ、急にぼやき?になってきてしまったのでこの辺で +_+;・・・。


最後にもう一度、今回の背景幕紹介ページへのリンクです。

“今月の一枚—舞台美術背景幕”
https://sites.google.com/site/artdominoworks/





● Webページ更新のお知らせ:アップリケ背景幕_2010,11月間


 

2010年10月30日土曜日

ハロウィンですから:コンサート美術セット

 
 
今月中に書いておかなきゃ。




ハロウィンの時期ならやっぱり多くの催し物は絡んで来るよね。


←こちら舞台に飾るアーチパネルの一部。


図面にある大まかなイメージ図とにらめっこしながら、

ここはあれにしましょう、そこはこれが良いかなぁ?…じゃあこの形は何かな?・・・


・・・なんて描き手数名で想&創像しながら具体的に描き始めた。






写真はいくつかのモチーフを適所に配置して形を取り始めたところ。



それで、やっぱりこれがあった方がよいでしょう!

ということでカボチャの“ ジャック・オ・ランタン ” らしきモノも描きましたよ。

写真で分かると思います。


そう、“らしき”もの(その後仕上がりはほぼカボチャのそれになったけど)を描いたんです。

なぜ?って、実は図面上には確実にこれがカボチャだって見て取れる形はなく、その場所に配置されている形は円形に近い形の何かで…ただ、色は朱っぽくて…って感じで。


際だたせてしまうとそれなりの覚悟が必要だし・・・。


他の箇所の多くも描き手の判断で進めました…ただただ“ハロウィン”というもののイメージを頼りに。


・・・こういうときは日常どれだけ様々なことに目を向けているかが勝負の(?)分かれ目。

そして描き手それぞれのアイデアを盛り込んで絵を盛り上げていくのだから、チームプレイの勝利でもありますね。お互いの信頼関係の元に成り立っています。



あ、最後はハロウィンの話しではなくなってしまいましたね・・・。









● ハロウィンですから:コンサート美術セット



 
 

2010年10月26日火曜日

レンタル用カットクロス制作ーバレエ舞台, アーチ幕

 


 
ペイントスタジオにて舞台飾りの制作に着手。


以前作った大理石柱のカットクロスとの組み合わせを考えてのモノ。






同じくカットクロスです。


制作図面は下の写真にちらっと写っているけど、それを基に必要な布地を裁断、そして縫製。


背景ドロップ一枚分を縫うということから比べると楽な作業量ですが、形が不規則(といっても今回はシンプルです)だから縫い合わせる順番だけは気をつけて作業。




まっさらな生地原反同士を縫い合わせることって気分が良い!




・・とはいえこれに絵を描いてしまうので、もちろん肌触りが楽しめる?のはここまで。



今回は、
基本的には舞台中央奥に配置させるセンターアーチを制作します。


描画面積はそれほどなくて縫製時間はあまりかかりませんが、縫っているともっと縫っていたくなるもので・・・あっ、でもね、ドロップ一枚を縫うときはさすがに後半はぼーっとしてくる
・・・だから今回の縫製量はいいとこ取りってとこかな。






そんなこんなでひさびさにドロップ幕一枚を縫ってみたい気分にもなりました。



今回も時間を見つけては制作を進めていきます。

また進行状況をお伝えしますね。





● レンタル用カットクロス制作ーバレエ舞台, アーチ幕





2010年10月22日金曜日

空間作り : バレエ舞台美術制作

 
 
こんにちは。

最近、制作の方では絵を描く者として新たなことに挑戦させて頂いたり、バレエ舞台美術のドロップ制作があったり、そして我がスタジオでも以前から構想だけが積もっている諸事に手をつけている…と、なんだか時間がどんどん過ぎてゆきます。

前回のブログでもそうなんだけど、ここのところ目に新しいことに多く触れられている気がする・・・今月一つ歳を重ねましたが、同時に学ぶべき事も増えています・・・ん〜、色々と時間が足りません。


新たなこと・・・

決して普段の舞台美術背景制作には新鮮さが無いという意味ではなくて、常にそこには良きフィードバックがあると…
そしてそうやって外に目を向けられるという状況にあるという事が本当に有り難いなと。




・・さぁて、ぶつぶつ言っているのはこの辺にしておいて・・・


ここのところ描いていた背景ドロップから —


先ほども触れたようにバレエ舞台美術制作です。


うーむ、いつもの事ながら制作途中を撮影する余裕がないのと、紹介できるパートを見つけることも難しくてよい絵が撮れないんだけど・・・


下塗り後の一部のアタリを撮ってみました。











まだ、全景はお見せできませんがどんな景を描いているかだけでも説明しておきましょう。


上に見えるのは腕ですね?・・・しかもマネキンのような人形の腕です。

そしてここは暗くて狭い部屋の中・・・


バレエの舞台をご覧になる方なら、人形が登場するお話、と言えば候補は容易に絞れますよね?


演目は “ コッペリア ” 。







これから組み立てられる腕や身体のパーツが入った荷物と、人形を作る老人コッペリウス博士のものであろうコートや、帽子・・それにだれが着ける?黄金のお面・・・









…この部屋は他にも奇怪な道具や図面らしきモノ、薬品?の瓶棚も・・・。




コッペリウスの部屋は過去にも他のパターンで何度か描かせてもらっていますが、人形工房の雰囲気を作ることや、特にこの“狭さ”を表現することに力を注ぎますね。


・・だって幅18m超、高さ9m超の画面に

こぢんまりした部屋、空間を描くんだから・・・・・・面白そうでしょ?


・・・面白いです!



とにかく、

今回も無事に仕上がりました。 ・・・いい照明あててもらえよ〜!


良い公演になることを祈っています!!








● 空間作り : バレエ舞台美術制作







2010年10月13日水曜日

芝居、オペラ歌劇、ゲネプロ見学

 
 
最近、有り難いことに舞台ゲネプロ見学の機会を芝居作品とオペラ作品とで頂きまして両舞台とも拝見しました。


しかも2カ所とも初めて訪れた劇場!

日比谷、有楽町界隈の一つと、もうひとつは音大が所有するもので川崎市にあります。



一方は背景ドロップ制作のお仕事で携わらせて頂いた舞台。
もちろん背景画は一道具でして、他にも沢山の素晴らしい装置が舞台上で目まぐるしく転換していました。



転換。


個人的には幕中に場面数が多い方が観ていて理解しやすいと感じる。

“ある建物の一室で巻き起こった騒動”といったように場面数を増やす必要のない場合もありますが、そのような場合は置いておいて…


簡単に書いてしまいましたが・・・ということは装置制作は色々な意味で大変になるし、それを動かす裏方さん、そして照明さん・・・様々なセクションが息つく暇もなくなります。


ただ、ある演目を観劇する場合、そしてそのストーリーを予習していった、またはしていかなかったにしても、そのお話の解釈の手助けやそのシーンに観客の意識を持って行かせるには、転換、照明操作によって場面設定がくっきり分かれている方が集中して観ていられるし、お話・情景が脳裏に焼き付く気がします。


・・役者の動きと相まって、とても素敵な場面転換が続き、裏方スタッフの動きに感心しながらもお話に集中させてもらえました。


うん、素直に楽しめる舞台だと思います。

ちなみに現在は日生劇場で公演期間中です。

タイトル他詳細は・・・下記、日生劇場Web siteへのリンクでお確かめ下さい。
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2010/05/program-6.html





・・・ちなみに今現在、ワイン片手にこれを編集中です。


今日はワインを飲みたくなって一本購入。

いつもは一瓶封を開けても飲みきれずに料理酒行きになってしまうからなかなか手を伸ばしづらいんだけど久々に・・・



・・と、脇道へ逸れましたね・・・



今回ある著名な美術家さんからの案内で観る機会を得られた他方のゲネプロは、オペラ。


しかもレクチャーとバックステージツアー付き!


そのレクチャーによると、

OPERA とはイタリア語で「仕事」「作品」を意味している。

歌劇のことはOpera Liricaとして区別している。


それとは別にWeb 上で調べると、

— 元来は「opera musicale」(音楽的作品)と呼んだものの省略 —


・・・とも。


だから日本人が認識しているオペラとはそれらが省略されて生まれた語義が定着した、と。


一言に歌劇を“オペラ”と使っている自分にとってそれだけでも恥ずかしながら改めて勉強になりましたね。


・・・では“オペレッタ”との違いは?

基本的には喜劇が多いっていう理解は間違ってなかったけど・・・


“台詞と踊りのあるオーケストラ付きの歌劇。軽歌劇(けいかげき)、喜歌劇(きかげき)とも。オペレッタは字義通りには「小さいオペラ」を意味する。”

などと書かれています。


・・確かにオペレッタには台詞や踊り(オペラにもありますが) があるなぁ。


・・・解釈不足ばかりなので一時退散して出直します。-_-;



では気を取り直して、


こちらの内容はそのタイトルが意味している所の “ トロメイ家のピーア ”

という、女性ピーアにスポットを当てたお話。


装置デザイン衣装デザインともイタリア人だそうで、どのようなデザインでどんな素材を使って表現しているのかをとても楽しみにして観てきました。


2幕構成ですが、こちらも場面数は多かったですね。


そして一見、

あーやっぱり本場のデザイナーはいまどきの素材を使って思い切った装置をつくるのね。

…なんてバックステージツアー時には感じたのですが、

ゲネプロが始まると、なるほど〜とか、あぁー面白い効果が出るんだなぁ、なんて具合に興味津々に観させて頂きました。

・・本場の舞台芸術は進んでいるんですね?

当たり前でしょ? なんて声が飛んできそうですが、これは本番を通して観なきゃ分からないことであって・・・。

目新しい素材やその使い方はそう簡単に舞台作品に取り入れられるものではないと思う。


だけどこの作品にはそれらの素材が当たり前のような顔をして採用されている。


ということはデザイナーが演出意図を踏まえた上で説得力と自信を持って設計しているのだと・・・


実験では無く常套手段のようにさえ感じる装置。


この舞台ではそこまで慌ただしくそして難しい転換・照明操作は行われていないと感じましたが(違っていたらごめんなさい)、装置と照明効果で様々な表現を観客に提示していたように思う。

そして何が良いと感じたかというと、これ実際には観客の想像力にゆだねる手法の半抽象的?なモダン+古典的なデザインなんですが、情景をとてもイメージしやすい範疇での表現であって決して独りよがりではないデザインだし、そのお陰でストーリーもフォローし易かったんです。




・・・すみません、ほぼ独り言の世界だと思いますがここまで読んで下さってありがとうございます。



個人的には、両舞台とも記憶に残る素晴らしい作品であったと思います。

関係者様方、この度はお誘いありがとうございました。


これからの制作に力が入るような大変良い刺激を受けました。

そして今回感じた何らかの要素が舞台美術制作に反映していけるよう努めていきたいです。




● 芝居、オペラ歌劇、ゲネプロ見学




 

2010年10月5日火曜日

Webページ更新のお知らせ:今月の一枚:バレエ ー ドロップ

 

あっという間に10月、あんなにひどく暑い日が続いていたのに、それもいつのことだったのか、と昔のよう。

・・人間の身体は巧いことできているのでしょうか?・・自分だけでしょうか?


そんな調子(どんな調子?)でどんどん日が過ぎていきますが、こちら毎月の更新作業は忘れてはいませんよ。




しばらく前の制作でしたが、自分の作業姿が映っている写真(小さくて確認出来ないとは思いますが・・)を頂戴したものですから大きさの比較対象物も兼ねてこちらの写真で今月の一枚をご紹介です。


該当ページへはこちら↓
http://sites.google.com/site/artdominoworks


バレエの舞台背景画ですね。

夢の中のシーン。


もやの向こうに神殿が見えているような、神殿ではないような・・・





・・・そう、そこを表現するのが難しかった。




デザイン画は神殿の形が曖昧に表現されていて色々な捉え方が出来るような図案になっていた。
そのまま背景ドロップ上に引き伸ばして描いても“ 絵 ” になりません。

かといってあくまでも "夢の中" なので一目で神殿と分かるくらい説明的な絵になってもいけないなと・・・



宮殿かな?…ん?ちょっと違う・・神殿・・? … あー、言われてみれば神殿かも。

・・くらいのテンポで認識してもらえたらいいなと思って。

だから親方さんに提案の上、ドロップセンターの神殿部分はそれくらいの存在感のつもりで描かせてもらいました。


ということで、今月の一枚はバレエ舞台美術制作からのご紹介でした。

該当ページへはこちら↓
http://sites.google.com/site/artdominoworks





● Webページ更新のお知らせ:今月の一枚:バレエ ー ドロップ

2010年9月24日金曜日

舞台背景画制作 ー 適材適所

 
雨がよく降った日。
 
そして・・寒かった。





明日から仕上げに入るある舞台用背景幕がある。




写真はそれら一連の背景画の一部で、まだ下塗り段階の状態。



←この幕に限って言うと、これはとても薄手の生地で出来ていて、尚かつ、硬練りの絵の具を使って描けない。


・・ということは、明るい色調の部分はなるべく大事に残しておきながら塗り進めるってことで、むやみに下調子がつけられない。



だから通常よりもより気を配って色・調子を置いていかなければ・・・。




こればかりは説明の付くものではないなぁ。


人によって仕上げまでの行程イメージも違うし、使う技術も少しずつ違う・・


・・いつもここに載せる写真は全景の内の一部ばかりだけれど、自分が描き出したタッチ、自分らしい調子付け、が見える箇所を使っています。



とはいっても上の写真、何を描いているところか見当が付かない…ですよね?

布上部に見える紐状のもの、そのピッチはこの場合・・・約25cmといったところか・・・
…スケール感だけは分かって頂ける・・かな?



このあとはもちろん次の調子が重なってより複雑になった。



もう一枚のメインの背景ドロップと併せて、明日からの作業でどれだけ面白く仕上げられるか・・・




・・・それにしても・・今日は寒かった〜。





● 舞台背景画制作 ー 適材適所
 
 

2010年9月20日月曜日

秋の空

 

久しぶりの更新なのか?それほど経っていないのか・・・?


・・・あれこれ関わらせて頂いている間に9月も下旬に…


このようなペースで作業を続けているとミスや怪我のもとなので、
と自分に言い聞かせながら日々過ごしていましたがやはり少々傷を・・・反省。
気を引き締めねば!と。

でも反対に集中して進めていたら・・・


右手の平にちょっと痛みが・・・


通常、描画面は床に敷かれたり置かれたりしているので長柄の付いた下描き用の道具・当たり棒を使うんですが、いつも握っているそのアタリ棒の連続使用のせいでタコが出来かけていたようで・・・十数年間この仕事をしている中で実はこんな事はじめての経験。
綱渡りな制作現場は何度も経験してきているけどこんなこともあるんだね・・・珍しい!


次の制作も始まっている。

気持ちを切り替えて取り組みます。


今月の中間報告?でした。

2010年9月8日水曜日

テレビ小説

 
 
今日は仕事帰りにホットコーヒーを一杯。

あ〜久しぶり、この香り!



9月に入ってもほぼ毎日ピーク時には40℃に達する中で作業をしていると、無論水分補給は必須・・・難しいことは言っていられない…。

こまめに水分摂取に気を配ってくれている親方さん、いつもホント助かってます!

最近は好んで飲まなくなった炭酸飲料も今夏はよく飲んだなぁ・・・



・・思い返すとずっとそんな日々・・・今日は、身体が忘れていた感覚を取り戻した日です。


…といった秋口(のはず)の9月ですが、気候の他に気に掛けていることの一つにテレビ番組チェックがあって・・・


あさの連ドラ、テレビ小説。


前にもお伝えしましたが、描かせて頂いた背景画がどのように使われてそして映るのか?

今月に入ってからということで…今のところまだ登場していないと思うのですが・・・

・・・すでに過去のことだったらごめんなさい。




目印になるかなぁ?

画面中央にはこの顔が映るのではないか・・・と。

もちろん、この人の前には役者さんがいますよ。







こうして、自分が描いたものもお伝えしたいのですが、別の絵描きさんによる書き割も見られますよ。


…ただ、それぞれの絵が別の回に登場するそうで、いつどの絵が映るかは・・?




描き割が使用されることが珍しくなってきているテレビ番組。

その分、演出として効果的に使われるのでは?…と思っています。




● テレビ小説
 
 
 
 

2010年9月4日土曜日

ウエブページ更新のお知らせ/バックドロップ:森

 
 
今月の一枚はこの森のバックドロップを選びました。

このドロップ、高さは9mほどでしたが、幅が、計40mか、もしくはそれ以上…。

写真にはとうてい納まりきらないので部分的に。


・・・ひたすら " 森・もり・モリ・mori・・ "

・・しかもイメージは、遠くに抜け道の見えそで見えない森の中。




遠近感をつける、奥行き感を出す、…といった描画作業を追い求められない。



前に立っている木、その後ろの木といったように木立の順番は描き表さなければならないけど、その奥、また奥・・まで描いてはならないのがこのドロップ上での作業でした。


よくある要望はその逆なのが一般的。そして絵描きの腕の見せ所の一つでもあるけれど、閉塞感を求められることもあるんです。

例えば、5間×10間の劇場サイズのドロップに、こぢんまりとした部屋の中を描くこと・・難しい。



描き上がったものは、確かに迷子になりそうな厚くて暑い森!・・でした。

・・そんなこんなでこの一枚をチョイス。




こちらのリンクから “ 今月の1枚 — 舞台美術背景画 ” ページへどうぞ。

https://sites.google.com/site/artdominoworks/Home






● ウエブページ更新のお知らせ/バックドロップ:森

2010年8月28日土曜日

ART DOMINO - オリジナル掛け時計プロジェクト

 
いやでも体力を奪われるこの暑さ・・いつまで続くんだ?

皆さんいかがお過ごしですか?

戸外で作業されている方ももちろん身体面に気をつけなければなりません。
こちらスタジオは屋内…でも暑いのは一緒です。

自分も気をつけていますが、身体が思うように動かない・・・

・・と、そんな毎日ですが、時間帯で作業内容を変えつつ過ごしています。






そんな中、以前も話したけど “ 掛け時計 ” の製作も進めています。




まだ色使いや材のチョイスなど思案中です。











これは、今まで製作した、“部屋に合ったデザイン” の創作時計ではなく純粋にスタジオアールドミノ製のものとして考えている物で、納得いく形のものになった暁には広く?(あまり生産出来ませんが)みなさんに使って頂きたいなと考えている所です。


文字盤デザインはだいぶ前からすこしづつ考えてあって・・・

上にも書いたとおりですが、多くの方に使って頂きたいので、奇抜なデザインと言うよりは飽きの来ない分かり易い形状、色使いで、数字デザインも装飾的ではなくあくまでも実用性を考えて、なるべくシンプルな形を目指して制作を始めた。

もともと、レトロな建築のインテリアにありそうな掛け時計のイメージはもっていまして…

数字のフォントも意識しています。

そこに、アールドミノロゴにあるように、波打っている幕のイメージである円弧をちょこっとブレンドしたようなデザインに。


今の時点では試作品なので幾分肩の力を抜いて取り組んでいる。

材質やその厚み、大きさ、それに特に色合いや風合い等を吟味しているところ。

自分が作る掛け時計の中の“定番”となる一つを作りたいから。



それは実際に作り始めてみてより実感。

現実的に仕事として生産性ももちろん気に掛けて進めてみたところ・・・

途中で手が止まってしまった。

・・・どうもダメみたい。



本当はこうだったらいいなとか、ああだったら…とか考えている部分を省略して、手早く完成させる事を考えると・・・自分が納得いくわけがない・・こんな事書くまでもないし…



だからサンプルの文字盤相手に思いつくことはやってみることにした。





写真は当然のように実際の色や質感を伝えていないし途中の段階だけど、今はお見せできます!

お見せするべきか迷いましたが、納得のいく部分が増えたので、・・・で、そうなると早く見せたいなーとなってしまう方でして・・・。



このデザインでの最終形ではないけれど、ほぼこのイメージで煮詰めていくつもりです。












目下悩みどころとしては、

・・秒針作成の問題、文字盤の厚み、時針・分針の長さと仕上げ、他微調整・・・あ、それからカラーバリエーションかな。
ちなみに写真は、外枠のブルーブラックに金の目盛り・・伝えづらいけど。





以上、現時点での製作状況でした。

またいつ取り掛かれるか分からないけど、きっと次は完成形をお見せできると思います!

これ、自分にプレッシャーです。笑





● ART DOMINO - オリジナル掛け時計プロジェクト
 
 

2010年8月26日木曜日

絵描きらしく



最近、久しぶりに美術館へ足を運んだ。


群馬県立近代美術館。


展示は、


「もうひとつの場所 - 野又 穫のランドスケープ」


を目当てに。




お盆前に幕を閉じた清里での舞台製作の帰り道に寄り道出来ないかなぁなんて考えていたけど、それは叶いませんでした。



で、今回時間が出来たのと、自分が良い刺激を欲していた所、日を改め、心して行って参りました!



だいぶ前ですが、どこかの記事で野又さんの事を知り、そのときからとても気になっていたから…


そして今回こちらの美術館で展覧会がある事を知り、念願かなって原画を観る事が出来たわけです。

野又さんは想像上の建築物とそれを囲む風景を画面に表現します。


…とても人気のある作家さんでいらっしゃるということで、自分のような者があれこれ書くわけにもいかないかと思いましたが、自分なりの興味に従って鑑賞した感想を書かせて頂くことにしました。
どうかお付き合い下さい。


— それでは、

何が “ 気になる ” のかというと… 絵画に表されている建物や風景の創造・発想の原点。

それと、なぜ架空の建造物を描き、絵画にまで高めているのか?・・・


前者は自分が舞台美術制作に関わる一人としてのある視点からの興味。

後者は・・・自分で自分の首を絞めるような疑問だな・・・だ、だれか一緒に飲みませんか?笑
・・・この答えを求めるのは難しい。

だけど、実作品を見る前に数点を写真で見た際に、ある画家の考えと、もしかしたら近いのかも・・なんて勝手に思ったりしていて…



・・・えー、やっぱりここでの話しは一つ目の興味の方に絞ることにしますっ。



舞台美術、とくに自分のように背景を扱っている身としては、絵画制作をするにしてもそれをデザインする場合においてもとにかく気になるのは舞台装置構成の発想力や、装置や背景画が作り出す、舞台空間を一画面とする構図の取り方、組み立て方・・・等といったところかな。


あれ?・・やっぱり話し相手が必要か?・・・


・・ともあれ野又さんの作品の“発想の源”を一番の興味として会場に入りました。



すると、会場の第一室には早速その答えに迫るか?というような “ メモ ” や数多くの “ スケッチ ”、それに “ 習作 ” 等が展示されていて、早くも来た甲斐アリ! と一人高ぶって・・・


− 美術展の帰りはぐったりしている −


というのが、自分が望む美術展鑑賞後。

全く疲れなかったという場合は…残念ながら個人的には×だったってこと。



・・・展覧会場に一歩踏み入れたとたん、早くも集中モードに。

“ぐったり”の予感が…


スケッチや写真資料など、食い入るように見て…

ノートに書かれたメモは・・・残念ながら浅学な自分には理解し難い哲学的なフレーズばかりが・・・

でも・・・戯曲もそうだろうけど、あるワンフレーズって人それぞれ、千差万別の世界を想像させる力があるわけで、野又さんのメモ一言一言はそれらを書き留めた時点で何らかの世界を脳裏に創造させていったはず・・・なんて考えながら拝見しました。
というよりノートに関してはそれが精一杯…。


初期作品や習作を観ていて浮かんでくる芸術家は・・エッシャーやマグリッド・・でもこれはあくまで表面上の印象ですよ。

スケッチ等から受ける作品へのアプローチは全く異なるようです。
・・・直線、曲線を組み合わせたり、形や視点の移り変わりを模索しているような・・・
スナップ写真も、みな興味深い構図のもの、街中で撮られたありふれた光景だけど目をこらすとたちまち不思議空間だなーと気付かされるもの・・・観点が実に面白いですね。
自分も仕事柄、人が見過ごすような所ばかり観察しているのですが、野又ビューはこういう世界なのかぁと内心ニヤニヤしながら見て回り、すでに半分は満足していたような…


そして、第二室は作品がずらりと並んでいて…


野又さんの作品達はこの展示室を、とても静かで穏やかな空間にしていました。

絵画の力ですね。

この近代建築の美術館内の雰囲気とも溶け合ってその印象はより一層強いものに。


とても静か・・・というのは決して静止しているわけではない、という意味合いで…

どの作品も丹念に描き込まれていて、それが、間違えばカターイ表情の画面を作りかねないと思うのですが、作品の多くはゆーっくりとした時間の経過を感じさせてくれたり、描かれていない“何か”の存在を想像させてくれたり・・・こちらの視点の移り変わりを試されているような気も・・・とても不思議な魅力のある絵画たちだなーと。









これはポストカードですが、作風の参考まで。













最後の部屋は…最近の取り組みなのか、光(ネオン?)の配置によって建造物を表したりと、過去のものに比べるとより抽象的なアプローチ?ともとれる画風に変化したのでは?


で、最後の最後にもう一度第一室目に戻って資料を再確認してより理解を深め(たつもり…?)
てから出口へ。


・・・やっぱりじっくりとみるには一日必要だね。


他にも常設展や、最初の写真の垂れ幕にもある、群馬青年ビエンナーレ2010も観たりしてホントに“ぐったり”と(外の西陽にもとどめを刺され…)なったけど、とても充実した時間を過ごしました。





ちなみにこちらのお馬の彫刻さんは、あのロダンの工房にもいたという、

エミール=アントワーヌ・ブールデル

によるものだそうです。


この美術館のエントランス傍で出迎えてくれています。


すごい迫力!









・・ということで、最近の自分の脳内には、野又さんやここで目にした作品達がぐるぐると回って飛んでいます。




● 絵描きらしく
 
 

2010年8月12日木曜日

真夏の夜の夢・・

 
 
第21回清里フィールドバレエ閉幕


です。

先日(8月9日, 2010)全ての公演プログラムが終了しました。

お越し下さった方々には心から感謝申し上げます。

ありがとうございました!!


個人的には、
明くる日の10日の一日だけは大工さん達と共に舞台の道具やら舞台そのものの片付けに参加し、夕方には帰路につきました…


なんだか…心にぽっかり穴が空いた感じ…


7月中旬には清里は萌木の村へ現地入り。確かにそこにはバレエのための舞台が存在していた。

そこで色々作業をして目に見えるモノは残したはず・・・

それに開催中は一度別現場にも行って製作もしてたから気持ちの切り替えもあったはず…

・・・とにかくバレエを観たんだよ。



なのに・・・


まるで夢だったかのよう。


実際、もうあそこにはバレエ舞台は無い訳で…

感覚がおかしい・・・いくら説明してもあの舞台にどっぷり関わる人以外にはこの感覚は伝わらないかも。

このバレエに大変長く関わり、語り尽くせない程多大な貢献をされている小林さん(この現場での僕の美術親方さんです)でも、これだけの回数に関わりながらも毎年同じ感想を持たれているそうです。


むぅー、でもきっとそれがこの野外バレエ舞台作りの良いところなんだろうなと思う。


閉幕後の2,3日間は、ダンサーも含め舞台制作に関わった人それぞれに不思議な感覚にとらわれているはず… しかも毎年ね。



この時期だけ清里高原に用意される野外公演というとても素敵なシチュエーションの中でのバレエ。


特筆すべきはそこだけど、その希有さだけではなく、惹き付けられるものが他にもあってさ・・次回公演への期待やら反省やらと一緒になって、そしてまたあの舞台が出現するんじゃないかな?



画像は開幕3日前の晩の舞台上空。


時にはこんな “ 画 ” を背景に舞台を鑑賞するんだ。

魔法がかかるのも無理もないか・・?


・・もちろんまた来年も参加するし、すでに次回のことを考えているよな…オレ・・・




ところで来年の開催期間は・・

2011年 7月30日 ~ 8月15日 (4日,10日を休演日とする)


そう、今までとは少しスケジュールが違います。

当然また違った夢の時間を皆さんと共有することになりそうです。




では最後にもう一度、

お客さんを始め、この舞台に関わる皆さん!

今回も本当にありがとうございました!!







● 真夏の夜の夢・・

2010年8月7日土曜日

清里に戻る:第21回清里フィールドバレエ

清里高原に戻ってきました!

でも今晩はお客さんとして。
作業には明日から加わります。


写真は客席入口付近から下手ピンスポ照明塔を眺めて。


今宵は

シンデレラ!

人出も多い!!


劇場版は拝見しましたが、ここでは前から見るのは初めて!

…もう開演だね。
では〜。

テレビ美術セット書き割り

先日終了したテレビ収録用背景描き割り。

自分が担当したのは、映画館内部映写室をスクリーン側から客席を見た構図のワンシーン。

だから人をたくさん描かなきゃならなかった。収録では実際のキャストと共演!?

写真はその中の一人、女の子の顔。
これは仕上げ前の段階なんだけど気に入ったので撮っておいたんだ。
隣にいる付き添いに、映画を見て微笑みながら何か同意を求めている感じ?で描いたんだけど…伝わるかな?
実際には人って映画を見てるときにはそんなに表情豊かではないけれども、そこは絵の世界、色んな仕草をした人々を盛り込みました。

オカッパ頭に衿元のフリフリ。
このシーンの時代設定がおおよそ想像がつくのではないでしょうか?


普段は背景画を担当してもなかなか人物を描く機会は無いもの。
だから描き応えは十分!
画面手前、全身を描いたのが、11人くらい。
続く後ろの客席はバストアップのものばかりを多数。
ちなみに画像の子も後列組。


もっと時間をかければしっかり描き込む余地はあるけど(当然段取りも変わりますが)そこはお仕事。時間の限り手を込めさせていただきました。


放映日がわかったらまた紹介します。

2010年8月5日木曜日

ウェブページ更新のお知らせ/紗幕・背景画

 
 

今月の一枚は絵紗幕です。
お芝居の背景画としての紗幕ですね。


“ 今月の一枚 ” ページ 画像確認は↓こちらからどうぞ!
http://sites.google.com/site/artdominoworks


この幕には通常の描法とは違う“仕込み”がされています。

そこまで高等な仕込みではないのですが、単純に段取り作業、描き手間も増すわけです。

ちなみに画面右側に見える細身の鉄骨フレームにも紗幕が張られている。
もちろん同じような効果をもたらす描画法が使われていて、それに現場での調整にもかなりの時間を費やしました。

…本番を確認したかったけど見られたのは照明あわせの段階まで。

紗幕が連なるセットなので、照明と背景のバランスが難しかった模様…。


描き手にとってとても張り合いのあるセットデザインでしたが、その分の効果を舞台上で成立させるとなると当然様々な苦労が増える…でもお客さんにはそのような苦労を感じさせないような舞台背景が理想…。
とても偉そうな事を書いていますが、観客に純粋に舞台を楽しんでもらったり、驚いてもらったりするためにはそうあって欲しいと願っています。
そのためにもスマートな背景画作りが出来るよう切磋琢磨です!








● ウェブページ更新のお知らせ/紗幕・背景画









 
 

2010年7月30日金曜日

つぎは東へ

現在はフィールドバレエ公演期間中。

だけど、個人的にはその間、別件仕事のため埼玉に戻っています。


写真はテレビセット用の書き割り。
人をたくさん描いてる。


でもやっぱり清里の天気は気になるなー。

2010年7月27日火曜日

第21回清里フィールドバレエ初日“白鳥の湖”開演直前!

間もなく始まる。

天候の心配はないね。

とは言ってもここは高原、何があるかわからないけどきっといい公演になると思う。

こうして初日を迎えられたこと、
大変おめでとうございます!

そしてお客さん、野外バレエを存分に楽しんで下さい!

第21回清里フィールドバレエ開幕

昨日は夕立を乗り越え、公開ゲネプロが行われ、
本日よりいよいよ第21回清里フィールドバレエが開幕!

今宵の演目は

白鳥の湖

です。

霧の白鳥?
満月の〜?

どんな"ハクチョウ〜"が見られるか!

2010年7月24日土曜日

舞台上で見る満月:第21回清里フィールドバレエ

清里入りしてから今日が一番日に焼けた日。

朝から客席会場作りを手伝う。
客席となる広場は芝生だからセッティングはもちろんその上。

身体はカラカラ。
水分補給は大袈裟なくらいにしなきゃ。


夕方にはタッチアップや灯りの入る道具の面倒を見る。


写真は照明さんが作業を始めた時間の舞台上から眺めた満月と舞台バックヤード。上も下もどっちも灯台みたい?


それはさておき、
ここフィールドバレエでは日によっては満月の下、そんな素晴らしいシチュエーションの中で素敵な舞踊が楽しめるんです!

今回の演目にある

天上の詩

をこの背景でみたら最高なんだろうな〜。


第21回清里フィールドバレエも開催間近だ。

舞台時間へシフト:第21回清里フィールドバレエ

道具類の描き作業もほぼ終了。
細かなタッチアップを除き、照明が入るのを待つ状態。
そして今日は照明さん方が到着。

灯台たちが取り付けられ、その後、天気を気にしながら(昨日ひどい夕立アリ…)、舞台上にはリノリウムが敷かれた。


その他、こちら美術チームはステージ周りの装飾を担っている。

合間を縫っての作業。
どんなものになるでしょうか〜。

2010年7月19日月曜日

またつながった!:第21回清里フィールドバレエ

日曜日。
天気が良すぎる!

贅沢な事言ってるね。
萌木の村内はお客さんで一杯!


でも強い日差しで、長年使われているある舞台セットの装飾部の一部を補修中、ボンドが熱で弱くなって剥がれるなんて事にもなる。もちろんダンサーが上り下りしたり通過したりするような作りの部分はそんな風に何かが取れてしまうなんてことは起こりませんよ。
ご安心を。


ある舞台装置の仕上げのヨゴシ作業に取り掛かる。

夕方、来訪者あり。
客席となる広場に目をやると弟家族が来てた!
こっちへの滞在中に"行くよ"とは言っていたんだけど、よく来てくれたね。ありがとう!


もっとびっくりは学生時代からの知人にばったり会う事になった事。

仕事あがり、客席側のちびロックで製作スタッフとくつろいでいるところ、隣の席に見覚えのある顔が!

声をかけたら…よかった!気付いてもらえた。
なんでこう思ったかというと、その知人とは音楽つながりなんだけど、今まではたまに会ってもちょこっとしか話したことが無くて…。
この出会いで一番話した。(笑)
お互いそう思ったのは正直なとこ。


ここは様々なつながりが生まれるところだと改めて実感!
それにもちろん自分もうれしかったけど、その場にいた製作スタッフとも繋がっっていくさまを見ていると増してうれしかった。


今朝もいい天気!
では舞台裏へ。

2010年7月18日日曜日

大事な時間:第21回清里フィールドバレエ

作業に向かう前にちょっと。

昨日は日中天気も良く、仕事も進んだ。

仕事あがり、萌木の村長さん、舞台製作スタッフさんたちとともに喉を潤した。
天気がよすぎると、製作場としての舞台上は照り返しが厳しい。だけどそのあとの一口は浸みるね〜。


その解散後は美術K親方、一部の大工さんとともに舞台上で晩飯。
この時間が貴重!
確かに暮ゆく空の下、涼しい時間に野外で食事は贅沢だけど、
蚊に刺されながらでも語りたいことがある。そしてここでは別セクション同士がダイレクトに意見交換出来る。
それぞれがこの野外舞台に対して常に面白い発想を持って向かい合っている。

語り尽くせない…だからまだまだこれからも変化の余地、発展性があるんだと思う。


貴重な時間…


その後、なんと村長さん(社長さんです)もこちらの明かりを見つけて上がって来てくれました。


話も深くなる。


見上げれば星空!
スタンドライトを消して舞台に寝そべり天体観測。


この先はずっと晴れマーク。
そう、梅雨明け。
明日も仕事が進むぞ。

ちなみに写真は、ある子供達との共作。
本番に登場はしないけど、ある舞台セットを裏で支えます。


もう時間だ。
舞台裏に行かなきゃ。

2010年7月17日土曜日

萌木の村広場・野外バレエ特設舞台より:第21回清里フィールドバレエ

今日は山間部に雷雨の予報が出てたけど、なんと雨は降らず!


塗りものは結構はかどった。いいぞ!


大工さんたちの作業姿も生き生きとしてたな。
やっぱりこうでなきゃ。


梅雨明け宣言も目前。
もう明けちゃっていいぞー!

2010年7月16日金曜日

清里入り一夜明けて。:清里フィールドバレエ

おはようございます。

清里は萌木の村からー


こちら現場は聞くところによると、雨続きだそうで作業が進みづらいそう。

…でも今日は、いいんじゃない!?

色ぬり作業どんどん行こう!

2010年7月14日水曜日

また西へ

 
 
仕事用参考資料にむかーしの地球儀をアトリエに持ち込んで作業してました。


写真は携帯電話でのもの。
この地球儀、ロシアではなくソビエト連邦の表記。

…それはいいとして、地球儀を参考にしているんだから描く絵は世界地図的なもの、ですよ。
地球そのものがモチーフだ。丸ものに描いている。

こうやって古いモノでも役に立つことがあるんですねぇ。なかなか地球儀とにらめっこすることはないし、大陸間の距離感なんかを改めて掴めて結構おもしろかったな。


この製作、自分は今日までしか関われない・・
明日からはまた出張だから。山梨へ。

清里フィールドバレエの舞台制作に合流だ。

ここも携帯から出来る限り更新して行こうと思う。

では、行ってきます。



● また西へ
 
 

2010年7月13日火曜日

西へ東へ

 
 
ここんとこ普段とは違う忙しさで過ごしていたアンドウです。


四国への出張では舞台美術製作会社のAさんを始め、スタッフの皆様には本当によくしてもらっていました。皆さんとても親切・熱心な方ばかりで作業もあっという間の滞在期間でしたが、とにかく!このような交流が持てたことにとても感謝しています。これは普段アンドウが大変お世話になっている、A親方さんのお陰でもあり、同じく感謝です。


音楽関係では、多くのお客さんに足を運んで頂きました。ありがとうございます!(皆さん久しぶりでなつかしー)。それに久々に友人にも会えたし!うれしいねぇ。
色々差し引いても良いステージだったように思う。みんさん次回もまたお会いしましょう。

…かと思えばとある音楽発表会では立派なカメラをお借りして記録のお手伝いをしたりも・・・。


色々駆け足で過ぎ去っていった感のあるここ最近。

お礼もそこそこにしか書けていませんが、実際様々な人にお世話になりました。


このブログでは舞台背景画師としての一面だけではなく自分が関わっている音楽活動も紹介していますが、決して公私混同しているわけではありません。

音楽活動があったから現在の“見る目”というものが育ったと思っていて…

詰まるところ、舞台の絵を描く場合もバンドで曲を創る場合も同じ面を持っているなと。

そこで、何が?となるわけだけど、モノを創る上では意識の持ち方や大事にしなければいけない部分が双方似ていると思うんです。
実製作においての観点ですが、一つの要素を取り上げると・・作品にはそれ独自の“波”が必要ですね。

何を見せたいのか、伝えたいのか…そのための起承転結、メリハリ等様々だけど、バランス感やリズム感が大事かと。

隅から隅まで力を込めたモノが良い物かと言ったらそうではないはず(そういう世界もあると思うけど)。さじ加減ていうことかな?良いとこを拾う感覚は音楽をやっているお陰で身についた。そう思ってます。

とは言えどちらも完遂出来ているかと言ったらそうは行かないのが現実。勉強は続く。

今回は一観点を取り上げたけど、他にも双方に大事だと思う要素はある。それらはいつになってもつきまとう事であり、そこに魅力を感じる。だから続けられるんだよね。
端から見るとおめでたい奴にみえるかもしれないけど・・・でもどちらも自分を高めてくれる大事な存在なんです。
絵を描いて楽しいとか、バンドやって単純に楽しいとかはとうの昔の話。
もちろん楽しんで臨んでいることに間違いはないけど自分が得るよろこびはほんの一瞬。
見てくれる人、聴いてくれる人に良いものを提供したい、提供できると思って、しかも限られた時間や予算、制約の中でやっているからある意味戦いですかね。


・・また長くなりそうなのでこの辺で。
自分にとっての絵と音楽の関わり…いつかまた語らせて頂きます。笑

後半はお付き合いありがとうございました。





● 西へ東へ


 
 

2010年7月8日木曜日

高松市より。
作業後、瀬戸内の夕焼け。

こちら、今回お世話になっている製作場近辺の様子。

遠くに見える島々はてっぺん辺りだけ見えてる。空高く、彼方の雲に夕日が映えて…不思議な遠近感の風景だね。昨日は霞んでいたから余計。
でも素晴らしい景色に変わりはないよ。

それに、
写真は19:30頃に撮ったんだけど、こちらは比べて陽が長いなぁと実感。


今晩はもう帰らなきゃならない。
う〜、島巡りしたいなー。

7/19からは瀬戸内国際芸術祭2010が始まるようです。しかも長期!10月末まで開催の祭典。
ますます滞在願望が…


…またの機会に。


そろそろ仕事の時間だ。
今日一日よろしくお願いします。

2010年7月6日火曜日

シコクヘ飛ぶ 

明日、四国・香川は高松へ向かう。

出張作業が入った。


って事で明日、明後日は携帯から日記書いてみようかな。

香川へ行くのは高校時以来。
夜中に高松駅(だったと思うけど)構内、待機している複数の電車の線路を行ったり来たりしているうちに、ホームから駅員さんにライトで照らされて追いかけられそうになったのを覚えてる。かわいい思い出だ。
部活動上の都合で高松へ行ったんだ。

だから、それ以来。

・・どんな方々にお会いできるでしょうか。


朝早いから、準備を済ませて早く寝るべし!




● シコクヘ飛ぶ 


 
 
 

2010年7月3日土曜日

ウェブページ更新のお知らせ/舞台セット転換絵幕

 
 
毎日のように昼食過ぎになると空がゴロゴロと騒ぎ出す。そんな梅雨空が続くなぁ。

あっという間に6月も過ぎ、今月は更に目まぐるしく過ぎていきそうな予感。

こういうときこそ一つ一つを確実にクリアして行かなくては。

まずは!


ウェブページ更新のお知らせ:今月の一枚
リンク→
今月の1枚 ー 舞台美術背景画(ドロップ・絵紗幕 ‥他)

下はそのドロップの一部分。風車が登場する演目は?



バレエ “ドン・キホーテ” より


舞台転換用ドロップです。

この絵幕が使われた本番は見れませんでしたが、きっと舞台セット転換時にはこの風車がぼーっと浮かび上がって見えるような薄明かりの照明の下、そのバレエの世界観や観客の皆さんのイマジネーションを膨らませる役割をしてくれたことと思う。





…今月は自分にとってバレエ月間でもあります。舞台セットの準備のため現地入りが控えている。
第21回 清里フィールドバレエが開催されます。



● ウェブページ更新のお知らせ/舞台セット転換絵幕

 
 

2010年6月29日火曜日

ガスっているのは外?内?

 

今日は身体が辛かった。

逃れようのない蒸し暑さのなか・・しかも油性塗料を吹き付けての描画。
描画といっても大々的なタッチアップといったところか。

吹き付け面積が広く、蒸し風呂状態である上にガンで飛ばされた塗料がもくもくと立ちこめて…

画的にも作業場はサウナの様。笑


…いや笑っている場合ではありませんよ。

そのような過酷な状況下での作業・・なんの自慢にもなりません。

年間を通しては低頻度の油性塗料使用。有機溶剤を浴びた身体もそのうち何とか浄化されるとは思うけど、それにしても、頭が暑さでぼーっとなっているのかラッカーシンナーのせいなのか分からないや。




シャワーとビールが美味しい晩になりました。







● ガスっているのは外?内?

 
 
 

2010年6月18日金曜日

水無月ソワレ

 
 
背景仕事が一段落したので、なかなか出来ないままでいたペイントスタジオの整理に取りかかったり、小物を作り始めたり…


すっかり暑くなってスタジオでの作業も辛くなってきた今日この頃。
この季節の話題がもちあがってる。・・それは、




近所の沢に大量発生した様子。

近年では蛍の数も減ったからか、わざわざ夜道に出て蛍探さないし。毎年1・2回気の向いた日だけ…。

・・・でも今年の状況は違うらしい!

まるで蛍群がオーケストラを奏でているようだ!というもんだから、
行く価値はあるぞ。


夜になった。


けど、涼しすぎる。風がだいぶ吹いている・・・今宵は飛ばず…かな?


・・いや、何せ“大量”なんだから数匹くらいいるだろう。

散歩だと思って噂の場所まで行く。


茂みの向こうが沢になっているはずだから…もう少し・・

・・・いるじゃん!!


その茂みの向こう側、ライムグリーンの点達が下の方からふわ〜と。


さすがに少し早足な自分。

沢まで来た。

いたいた!しかもすごい数だ



静かだなぁ。
ここだけは風が当たらない場所の様。

実際に飛んでいた数はこんなものではないけど、試しに撮影したのがこれ。
ハンディーカメラの性能からして当然しっかり撮れないんだけど、
それでも蛍たちが一斉に明るくなればこれくらいは見える。

今までにこんなにまとめて見たことがなかった。

しばし動けず・・・。
皆同じようなリズムで光るから、確かに演奏会のようだ。
これだけの数がまとまっているから、光るとその沢がどんな形状か分かるほど。


しずーかな光のショウ —


そのはかなさも知っているだけに感慨深くもあり余計に見入ってしまう。


いとも簡単に手に取れる。でも飛んでる姿がbestだな。



見事な舞台。


今年は何度か足を運ぶか?
来年も飛んでおくれ。




● 水無月ソワレ

2010年6月13日日曜日

Band “ ベルボロ ” Live 告知。 

 
 
あー昨日はしっかり暑い日だったな。

関東地域、梅雨入りを控えた今日この頃。みなさんいかがお過ごしですか?


突然ですが、
そんな暑さの中、今回は舞台美術事から離れて…というか自分が出演する側のお話。

またまたあるバンドのライブが控えている。

バンド名は ベルボロ 。アルファベットなら " BELLBORO " 。

昨日は7月にライブを行うベルボロの一回目のリハーサルだった。

今年3月初めにもサポートメンバーとしてバンド出演があったけど、ベルボロではメンバーとしての参加…?元々はボーカリストが普段のソロ活動と並行して作ったバンドである。
そこに今回はオリジナルメンバーからの再編成という事由で自分も参加、となった。
とは言え、バンドメンバーは学生時代や音楽を通しての友人ばかりなので、もはやメンバーとかそうではないとかあまり重要ではない。こうして集まって音楽が出来るという事が素晴らしいと思う・・・


…とまぁ細かな個人的思いは置いておきまして、以下を告知!



[SATURDAY NIGHT BOOGIE BOP]
Moto‐Psycho R&R Service(guest/Rockin'Enocky)/
THE SURF COASTARS / BELLBORO / ザ・ルーピ−サーカス
THE イギーポップ狂 チャコペンシルズ

開場/開演 → 18:00/18:30

チケット:前売り/当日 → ¥2500/3000+1D


一先ず告知でした。

このブログ左サイドにも鈴木祐樹 Official Web Siteのリンクを貼ってるので、メンバー編成もそちらで確認できます。

Liveを含め新生となったベルボロをよろしく!!



 ● Band “ ベルボロ ” Live 告知。


2010年6月5日土曜日

バレエは劇場公演だけに非ず

 
 
2010年ももう6月。
夏がやってきます。

自分にとって近年の夏といえば清里高原。

そう!今年もフィールドバレエの季節がやってきます。



以前にも今年の演目をご紹介しましたが、今回は上のチラシも含めての宣伝です。
拡大してご覧下さい。

A-program:天上の詩
B-program:白鳥の湖 
C-program:シンデレラ

が今回、第21回目の演目です。

中でも個人的には天上の詩を楽しみにしています。
以下その紹介は、清里・萌木の村Web site内、清里フィールドバレエページより抜粋。

 天上の詩は、プリンシパルで芸術監督でもある今村博明と川口ゆり 子が清里フィールドバレエを続ける中で、八ヶ岳に伝わる羽衣伝説を基に創作したオリジナルバレエです。台本、作曲、衣裳等そのすべてが日本人の手による作 品で、2000年のロシア・ボリショイ劇場での公演でも喝采を浴びた日本が誇るバレエです。
 物語は、美しい自然に囲まれた山地に住む青年と池の畔で水浴びを楽しむ天女姫との出会いから始まります。しかし天女と人間の恋は許されない天の掟でし た。二人の切なくも強い愛の絆は、やがて天上界の天帝の心を動かすのでしょうか。天上の詩は、私たちの中の五感で観る美しいバレエです。



もちろん言うまでもなく、白鳥・シンデレラも毎回高い評価を得ている人気の高い演目ですが、この天上〜に関わるのは初めてということもあって全てが気になります。

主演バレエ団のバレエ シャンブルウエストは先月、本拠地八王子での定期公演を終え、現在はフィールドバレエのためのお稽古が続いていると思われます。

定期公演は今回のフィールドバレエ演目でもあるシンデレラで、
とても楽しく拝見させて頂きました。 先生方、大変ありがとうございました。

…劇場版と清里版との違い(舞踊や演出・舞台美術)を比べられるのも一つの楽しみですね。



公演が近くなったらまた現地レポートをお届けするつもりです。

第21回清里フィールドバレエの宣伝でした。




● バレエは劇場公演だけに非ず



 
 

2010年6月4日金曜日

今月の一枚・舞台背景画:Webページ更新のお知らせ

 
 
先月もページ更新情報をお届けしたけど、この一ヶ月日記自体が少ないと感じる・・・

色々あったはずなんだからその中で気に留まったことはなるべく記しておきたい…そうでもしないとみんな流れていってあっという間の一ヶ月、一年だ。
自分のためも含め、更新に努めます。



では毎月恒例のWebページ更新です。


今回も季節的なことを考慮してこちら。
緑色が鮮やかな舞台セットの一部、背景の役割となる葉っぱばかりのアップリケネットです。

それにもう一つ訳がある。
更新を怠っていたが為に紹介が出来なかったのでここで紹介させてもらいます。

それはこちらの日記から↓
http://artdomino.blogspot.com/2010/04/blog-post_10.html

画像にある素材は何でしょう?と振ったままになってました。

てことで答えはこちらです。
更新したページへどうぞ。

今月の1枚 — 舞台美術背景画
2010, 6月
http://sites.google.com/site/artdominoworks/


大げさに問いかけるものではなかったけど、
見たままの形を使っています。

葉っぱですね。

ただし、↑リンクにある仕上がり写真のものすべてが一枚一枚を貼り付けたものではないですよ。
所々に使っています。全部貼ったら作業が大変ですからね!
それに、葉っぱの向きも限定されてしまうから動きのある画が作れません。
だから描きと貼りに分かれてて、それらをなじませながらの仕上げで、との要望。

ちょっとしたことですが、照明が入った時に貼ったものに対して出来る陰影効果を狙ってのアイデアのようです。その上たためるから搬出入も容易ですね。

ネット貼り作業は行っていませんが、葉と葉の間をなるべく細かく切り抜いてもらう指示を付けさせてもらいました。なかなか大変な作業だったのではないで しょうか。

ちなみに、写真のものは舞台センターに来るもの。
これの他にもちろん上手・下手サイドにも同じものを制作しました。



● 今月の一枚・舞台背景画:Webページ更新のお知らせ



 

2010年5月27日木曜日

バレエ舞台幕







こんにちは。

今日も携帯電話よりお届けします。


ここのところ続いているバレエ舞台セットに関しての制作。

明日からは場所を移しての仕上げ作業。
写真のドロップや先にあった別の一枚を積み込み、使った絵の具やらもまとめる。

さて作業にもどらねば。


休憩中のアンドウでした。

2010年5月26日水曜日

ドン・キホーテ

現在制作の手が空いた時間で、たまには携帯電話から書き込んでいます。


久々にバレエ舞台美術のドロップ制作にかかってます。

演目は"ドン・キホーテ"!


デザイン画は、イメージ先行?というか具象・抽象のはざまをねらった印象。


制作では、道具帖を見ても人によって受け取る感じが違うから方向性を定める事がとても大事だ。

この場合もそう。

相手(ドロップや紗幕)はおおきいんだからツボは押さえないとピリリとは仕上がりません!

ーこの曖昧に見える調子は何なんだろう?とかこのトーンの大きい流れはこれこれこういう風景がイメージじゃないかなぁ?などといった感じに意見を交わす。
とても大事な段階です。

夢見るドン・キホーテの気持ちに触れてみながら。

2010年5月23日日曜日

アールドミノ ロゴマーク完成! 



なんだかんだでしばらく落ち着けなかった。
気がついたらもう5月も後半へ入ってしまったな!
でも色々携わらせて頂いてありがたいことです。それに新しいつながりも!!
— 様々な事象に感謝です。

 

さて、長くなってしまわないうちに ( 下記がいやでも長いので 笑 )、
早速終わっていないロゴ作成の話を進めよう!
ブログが書けず、我が事ながらずっと気になってたぞ。


前回はなんとか気に入ったシェイプを創りだせたところまで。
舞台美術におけるドロップ(舞台背景を飾る大きな幕)がイメージの形。



今回はそこからの展開・苦悩を話そう。 t ˜o˜;


自分の理想を具体的に盛り込もうとあの手この手でイメージをぶつけてみた。

どのアプローチも毎回自らに駄目出し。>.< ;
かなり遠回りをしながらも、途中いくつか形にしてみた。

それから、これも書かなきゃ。 「 なぜ 名前に“ドミノ” って付いてるの?」

ドミノっていうと一つはあのドミノ倒しで見る長方形のピースにサイコロの目が描いてあるもの。

で元来はそのドミノ牌でゲームをする・・・ だけど、アールドミノのドミノはドミノ倒しの方のイメージ。

将棋倒しのようにばたばた倒れて行く図が浮かぶからイメージが良くないのでは?
…でもそこに着目した訳ではありません。

小さい頃にテレビで見た大掛かりなドミノ倒し — それがおおもと。

あのからくり一杯のドミノセットは少年の心にはあまりに大きな衝撃だった。

まだ幼稚園児?それとも小学一年生あたりだったかなぁ・・・ 親にその年の誕生日かクリスマスプレゼントか何かをすでに他のおもちゃで約束していたんだけど、テレビであの華麗なドミノ倒しを見てしまったアンドウ少年、すっかり気が変わってしまった。
買い物に出かけた時も、おもちゃ売り場やそれらが売っている所に行けば立ち止まり、今すぐに欲しい!!とねだったものでした。
その後、最初に約束していたおもちゃと引き換えにドミノ倒しのおもちゃを買ってもらった程。
・・ でもそれ・・・家に帰って遊ぼうとしたけど、なんか違う・・ ドミノ牌は最初からきれいに並んでいた。 (!?)
・・・最初からピースがレールに付いていて整列してる… レールごと逆さまにしたりすれば全てのピースが、あら、元通り〜 って!そんな易しさ・便利さは要らねーよー!
・・このおもちゃ、画期的な(?笑)装置の部分に投資されているもんだから、そのドミノレールはピースの数が圧倒的に ・・・少ない・・・。*_*
その後、少年はほとんどそのドミノ倒しで遊ぶ事はなく・・・ えー・・親の都合と子の理想はかけ離れているものです・・・そんなものです。

まぁそんなこともありましたが、とにかくあのときテレビで見た生き物みたいなドミノ倒しの映像に感動したんです。
あっちで大量のドミノが倒れながら絵が出て来たり、はたまたこっちでは仕掛けの中をドミノ牌がバトンタッチして進んで行ったり・・・ (舞台芸術のセットも仕掛けが豊富ですよね) そして、 ドミノ倒しはスタートで弾かれるのはたった一個のピース。 だけどその後は様々な場所へ広がりながら息つく暇もなく、そして途中で止まってしまうかもしれない緊張感と共に次から次へ繋がって変化してみんなの目を楽しませてくれる。
・・・だからそんな風に人と人のつながりを大事に、そして観る人の目を楽しませる事が出来たらいいなと思っています。
全部をきれいに伝えきれていないけど、ドミノって付いてるのはそんなイメージを持ったから。 ・・徐々に感じ取ってもらえたら有難いです。


それではロゴ作成の実際を話しましょう。


象徴となるような形は出来たものの、それにもう1つ2つの工夫を加えてロゴマークとしたいところ。 ここからがまた難しい。

どんな意味合いを盛り込みたいかはきまっているのだけれど、何をもってそれを表現するのかが問題。

別のイメージを用意して組み合わせるのか、または色で印象づけるのか・・・ 理想としては、

●少ない色数—できれば単色
●ホームページタイトルでも使っているスタジオ名の 文字デザイン・フォントを使う
●なるべくシンプルな形に
                     ・・・等







決定したシェイプだったけど、形の内側の白抜きのラインがぱっとしない。単調な気がして…。

もともとそのラインを入れることで無理にでも幕が垂れている感じやドミノ倒し的イメージを掴もうとして入れたものなんだけど…

…文字をダブらせたらこんな感じか。




斜めに走る直線の一本を筆跡ラインに換えて意味合いを付けて色も入れてみた。
左端の暗い色は、劇場や舞台に見られる要素から舞台が暗転している、または無の状態。
そこに手が入って幕が色づき人間味や情景を創り出す。
といったイメージです。

それがこれ。↓



これ悪くないなぁ。保留にしておこう。

でも無理しているような・・・


なんといってもこの形、シンメトリックなのでなおさら変化を付けづらい。

もう一つ意味合いを込めながら変化を付けたいところ。

実に色々考えたんだけどなぁ・・・ここに挙げたらきりがないほどに。



こんなパターンもあったし、それ以外にもなるべく左右対称を崩そうと試みたけどボツばかり・・・







しかし!そうこうしているのと同時に別の考え方が浮かんだ。
この舞台幕イメージを持った形一つをドミノ牌の一つとして捉えることを。

ここに来てこのロゴ作成当初の一番大事なイメージ設定とは変わってしまうけど、
自分の中でとても合点のいく発想となったんだ。



早速思うがまま遊んで?みた。
こういう作業となるとコンピューターは強い!


↓こんなパターンとか



↓こんなのとか



これで絵が描けるね。
ドミノ牌を並べているよう。







欲張って最初のパターンとも並べてみたり。














これも多くのパターンを試してみたけど(脱線気味ですが…どれも面白かったので)、でも最終的な理想は

シンプルに!


なので別の機会に出番を作りたいと思う。


あれこれ頭をひねって考えていたため、反対に容易なことを試し忘れていた。
だから一度頭を整理するつもりでポンっとやってみた。







ここからは後日談です。
一度完成のお知らせをさせて頂きましたが、この後、ロゴマークが変わりました。

基本的なシェイプは変わりないですが、やはり初期のイメージが薄れてしまっていたため、使用している間に、創った自分の中にズレが出てきたので・・・
使うことをためらうようになってしまったのです。

↑のデザイン。今も嫌いではない・・・納得したつもりだったけど実は9割くらいだったのかも・・・。

てことで、時をおいてもう一度取り組み直し。

初期イメージを持って・・・遊び心も感じてもらえるかなぁ?

ドミノピースの発想ではなく、大きな幕をめくってみせた。
やっぱり絵幕の扱いがメインなんだと思うから。


A・D・・・頭文字もよく見れば感じてもらえますか?

ドミノ画も遠くまで続く感じ。

シンメトリックな形も崩せたし・・・

・・・冷静に、すごく自分らしくなったと思う。・・もやもやが取れた。


↓こんな感じです。

このデザインでは色も入れられるようになったし!
幕に手を加えたところに彩りが現れる
って感じです。


↓単色で、文字の配置を変えてもいいね。



・・・という感じでここに変更内容を追記しました。

こんな経緯でマークが出来上がったんだ、と・・自分の履歴として残します。

今度こそ色々な所に登場させよう。


では元の文へ戻します。








自分の絵を描くときもそうだし新しいものを作るときはいつも似ている。
現在、これとは別のロゴもデザイン中。
依頼主さんとのやりとり中だけど、やはり作業は似てますね。

不器用なんだと思う。でもこれが自分のデザインの仕方のようです。





完成したマーク。この先もちろんどこかに登場させていくつもりです!

ロゴマーク共々この先も舞台美術・アート制作 アールドミノをよろしくお願い致します。






● アールドミノ ロゴマーク完成!