2010年10月30日土曜日

ハロウィンですから:コンサート美術セット

 
 
今月中に書いておかなきゃ。




ハロウィンの時期ならやっぱり多くの催し物は絡んで来るよね。


←こちら舞台に飾るアーチパネルの一部。


図面にある大まかなイメージ図とにらめっこしながら、

ここはあれにしましょう、そこはこれが良いかなぁ?…じゃあこの形は何かな?・・・


・・・なんて描き手数名で想&創像しながら具体的に描き始めた。






写真はいくつかのモチーフを適所に配置して形を取り始めたところ。



それで、やっぱりこれがあった方がよいでしょう!

ということでカボチャの“ ジャック・オ・ランタン ” らしきモノも描きましたよ。

写真で分かると思います。


そう、“らしき”もの(その後仕上がりはほぼカボチャのそれになったけど)を描いたんです。

なぜ?って、実は図面上には確実にこれがカボチャだって見て取れる形はなく、その場所に配置されている形は円形に近い形の何かで…ただ、色は朱っぽくて…って感じで。


際だたせてしまうとそれなりの覚悟が必要だし・・・。


他の箇所の多くも描き手の判断で進めました…ただただ“ハロウィン”というもののイメージを頼りに。


・・・こういうときは日常どれだけ様々なことに目を向けているかが勝負の(?)分かれ目。

そして描き手それぞれのアイデアを盛り込んで絵を盛り上げていくのだから、チームプレイの勝利でもありますね。お互いの信頼関係の元に成り立っています。



あ、最後はハロウィンの話しではなくなってしまいましたね・・・。









● ハロウィンですから:コンサート美術セット



 
 

2010年10月26日火曜日

レンタル用カットクロス制作ーバレエ舞台, アーチ幕

 


 
ペイントスタジオにて舞台飾りの制作に着手。


以前作った大理石柱のカットクロスとの組み合わせを考えてのモノ。






同じくカットクロスです。


制作図面は下の写真にちらっと写っているけど、それを基に必要な布地を裁断、そして縫製。


背景ドロップ一枚分を縫うということから比べると楽な作業量ですが、形が不規則(といっても今回はシンプルです)だから縫い合わせる順番だけは気をつけて作業。




まっさらな生地原反同士を縫い合わせることって気分が良い!




・・とはいえこれに絵を描いてしまうので、もちろん肌触りが楽しめる?のはここまで。



今回は、
基本的には舞台中央奥に配置させるセンターアーチを制作します。


描画面積はそれほどなくて縫製時間はあまりかかりませんが、縫っているともっと縫っていたくなるもので・・・あっ、でもね、ドロップ一枚を縫うときはさすがに後半はぼーっとしてくる
・・・だから今回の縫製量はいいとこ取りってとこかな。






そんなこんなでひさびさにドロップ幕一枚を縫ってみたい気分にもなりました。



今回も時間を見つけては制作を進めていきます。

また進行状況をお伝えしますね。





● レンタル用カットクロス制作ーバレエ舞台, アーチ幕





2010年10月22日金曜日

空間作り : バレエ舞台美術制作

 
 
こんにちは。

最近、制作の方では絵を描く者として新たなことに挑戦させて頂いたり、バレエ舞台美術のドロップ制作があったり、そして我がスタジオでも以前から構想だけが積もっている諸事に手をつけている…と、なんだか時間がどんどん過ぎてゆきます。

前回のブログでもそうなんだけど、ここのところ目に新しいことに多く触れられている気がする・・・今月一つ歳を重ねましたが、同時に学ぶべき事も増えています・・・ん〜、色々と時間が足りません。


新たなこと・・・

決して普段の舞台美術背景制作には新鮮さが無いという意味ではなくて、常にそこには良きフィードバックがあると…
そしてそうやって外に目を向けられるという状況にあるという事が本当に有り難いなと。




・・さぁて、ぶつぶつ言っているのはこの辺にしておいて・・・


ここのところ描いていた背景ドロップから —


先ほども触れたようにバレエ舞台美術制作です。


うーむ、いつもの事ながら制作途中を撮影する余裕がないのと、紹介できるパートを見つけることも難しくてよい絵が撮れないんだけど・・・


下塗り後の一部のアタリを撮ってみました。











まだ、全景はお見せできませんがどんな景を描いているかだけでも説明しておきましょう。


上に見えるのは腕ですね?・・・しかもマネキンのような人形の腕です。

そしてここは暗くて狭い部屋の中・・・


バレエの舞台をご覧になる方なら、人形が登場するお話、と言えば候補は容易に絞れますよね?


演目は “ コッペリア ” 。







これから組み立てられる腕や身体のパーツが入った荷物と、人形を作る老人コッペリウス博士のものであろうコートや、帽子・・それにだれが着ける?黄金のお面・・・









…この部屋は他にも奇怪な道具や図面らしきモノ、薬品?の瓶棚も・・・。




コッペリウスの部屋は過去にも他のパターンで何度か描かせてもらっていますが、人形工房の雰囲気を作ることや、特にこの“狭さ”を表現することに力を注ぎますね。


・・だって幅18m超、高さ9m超の画面に

こぢんまりした部屋、空間を描くんだから・・・・・・面白そうでしょ?


・・・面白いです!



とにかく、

今回も無事に仕上がりました。 ・・・いい照明あててもらえよ〜!


良い公演になることを祈っています!!








● 空間作り : バレエ舞台美術制作







2010年10月13日水曜日

芝居、オペラ歌劇、ゲネプロ見学

 
 
最近、有り難いことに舞台ゲネプロ見学の機会を芝居作品とオペラ作品とで頂きまして両舞台とも拝見しました。


しかも2カ所とも初めて訪れた劇場!

日比谷、有楽町界隈の一つと、もうひとつは音大が所有するもので川崎市にあります。



一方は背景ドロップ制作のお仕事で携わらせて頂いた舞台。
もちろん背景画は一道具でして、他にも沢山の素晴らしい装置が舞台上で目まぐるしく転換していました。



転換。


個人的には幕中に場面数が多い方が観ていて理解しやすいと感じる。

“ある建物の一室で巻き起こった騒動”といったように場面数を増やす必要のない場合もありますが、そのような場合は置いておいて…


簡単に書いてしまいましたが・・・ということは装置制作は色々な意味で大変になるし、それを動かす裏方さん、そして照明さん・・・様々なセクションが息つく暇もなくなります。


ただ、ある演目を観劇する場合、そしてそのストーリーを予習していった、またはしていかなかったにしても、そのお話の解釈の手助けやそのシーンに観客の意識を持って行かせるには、転換、照明操作によって場面設定がくっきり分かれている方が集中して観ていられるし、お話・情景が脳裏に焼き付く気がします。


・・役者の動きと相まって、とても素敵な場面転換が続き、裏方スタッフの動きに感心しながらもお話に集中させてもらえました。


うん、素直に楽しめる舞台だと思います。

ちなみに現在は日生劇場で公演期間中です。

タイトル他詳細は・・・下記、日生劇場Web siteへのリンクでお確かめ下さい。
http://www.nissaytheatre.or.jp/program/2010/05/program-6.html





・・・ちなみに今現在、ワイン片手にこれを編集中です。


今日はワインを飲みたくなって一本購入。

いつもは一瓶封を開けても飲みきれずに料理酒行きになってしまうからなかなか手を伸ばしづらいんだけど久々に・・・



・・と、脇道へ逸れましたね・・・



今回ある著名な美術家さんからの案内で観る機会を得られた他方のゲネプロは、オペラ。


しかもレクチャーとバックステージツアー付き!


そのレクチャーによると、

OPERA とはイタリア語で「仕事」「作品」を意味している。

歌劇のことはOpera Liricaとして区別している。


それとは別にWeb 上で調べると、

— 元来は「opera musicale」(音楽的作品)と呼んだものの省略 —


・・・とも。


だから日本人が認識しているオペラとはそれらが省略されて生まれた語義が定着した、と。


一言に歌劇を“オペラ”と使っている自分にとってそれだけでも恥ずかしながら改めて勉強になりましたね。


・・・では“オペレッタ”との違いは?

基本的には喜劇が多いっていう理解は間違ってなかったけど・・・


“台詞と踊りのあるオーケストラ付きの歌劇。軽歌劇(けいかげき)、喜歌劇(きかげき)とも。オペレッタは字義通りには「小さいオペラ」を意味する。”

などと書かれています。


・・確かにオペレッタには台詞や踊り(オペラにもありますが) があるなぁ。


・・・解釈不足ばかりなので一時退散して出直します。-_-;



では気を取り直して、


こちらの内容はそのタイトルが意味している所の “ トロメイ家のピーア ”

という、女性ピーアにスポットを当てたお話。


装置デザイン衣装デザインともイタリア人だそうで、どのようなデザインでどんな素材を使って表現しているのかをとても楽しみにして観てきました。


2幕構成ですが、こちらも場面数は多かったですね。


そして一見、

あーやっぱり本場のデザイナーはいまどきの素材を使って思い切った装置をつくるのね。

…なんてバックステージツアー時には感じたのですが、

ゲネプロが始まると、なるほど〜とか、あぁー面白い効果が出るんだなぁ、なんて具合に興味津々に観させて頂きました。

・・本場の舞台芸術は進んでいるんですね?

当たり前でしょ? なんて声が飛んできそうですが、これは本番を通して観なきゃ分からないことであって・・・。

目新しい素材やその使い方はそう簡単に舞台作品に取り入れられるものではないと思う。


だけどこの作品にはそれらの素材が当たり前のような顔をして採用されている。


ということはデザイナーが演出意図を踏まえた上で説得力と自信を持って設計しているのだと・・・


実験では無く常套手段のようにさえ感じる装置。


この舞台ではそこまで慌ただしくそして難しい転換・照明操作は行われていないと感じましたが(違っていたらごめんなさい)、装置と照明効果で様々な表現を観客に提示していたように思う。

そして何が良いと感じたかというと、これ実際には観客の想像力にゆだねる手法の半抽象的?なモダン+古典的なデザインなんですが、情景をとてもイメージしやすい範疇での表現であって決して独りよがりではないデザインだし、そのお陰でストーリーもフォローし易かったんです。




・・・すみません、ほぼ独り言の世界だと思いますがここまで読んで下さってありがとうございます。



個人的には、両舞台とも記憶に残る素晴らしい作品であったと思います。

関係者様方、この度はお誘いありがとうございました。


これからの制作に力が入るような大変良い刺激を受けました。

そして今回感じた何らかの要素が舞台美術制作に反映していけるよう努めていきたいです。




● 芝居、オペラ歌劇、ゲネプロ見学




 

2010年10月5日火曜日

Webページ更新のお知らせ:今月の一枚:バレエ ー ドロップ

 

あっという間に10月、あんなにひどく暑い日が続いていたのに、それもいつのことだったのか、と昔のよう。

・・人間の身体は巧いことできているのでしょうか?・・自分だけでしょうか?


そんな調子(どんな調子?)でどんどん日が過ぎていきますが、こちら毎月の更新作業は忘れてはいませんよ。




しばらく前の制作でしたが、自分の作業姿が映っている写真(小さくて確認出来ないとは思いますが・・)を頂戴したものですから大きさの比較対象物も兼ねてこちらの写真で今月の一枚をご紹介です。


該当ページへはこちら↓
http://sites.google.com/site/artdominoworks


バレエの舞台背景画ですね。

夢の中のシーン。


もやの向こうに神殿が見えているような、神殿ではないような・・・





・・・そう、そこを表現するのが難しかった。




デザイン画は神殿の形が曖昧に表現されていて色々な捉え方が出来るような図案になっていた。
そのまま背景ドロップ上に引き伸ばして描いても“ 絵 ” になりません。

かといってあくまでも "夢の中" なので一目で神殿と分かるくらい説明的な絵になってもいけないなと・・・



宮殿かな?…ん?ちょっと違う・・神殿・・? … あー、言われてみれば神殿かも。

・・くらいのテンポで認識してもらえたらいいなと思って。

だから親方さんに提案の上、ドロップセンターの神殿部分はそれくらいの存在感のつもりで描かせてもらいました。


ということで、今月の一枚はバレエ舞台美術制作からのご紹介でした。

該当ページへはこちら↓
http://sites.google.com/site/artdominoworks





● Webページ更新のお知らせ:今月の一枚:バレエ ー ドロップ