2010年8月28日土曜日

ART DOMINO - オリジナル掛け時計プロジェクト

 
いやでも体力を奪われるこの暑さ・・いつまで続くんだ?

皆さんいかがお過ごしですか?

戸外で作業されている方ももちろん身体面に気をつけなければなりません。
こちらスタジオは屋内…でも暑いのは一緒です。

自分も気をつけていますが、身体が思うように動かない・・・

・・と、そんな毎日ですが、時間帯で作業内容を変えつつ過ごしています。






そんな中、以前も話したけど “ 掛け時計 ” の製作も進めています。




まだ色使いや材のチョイスなど思案中です。











これは、今まで製作した、“部屋に合ったデザイン” の創作時計ではなく純粋にスタジオアールドミノ製のものとして考えている物で、納得いく形のものになった暁には広く?(あまり生産出来ませんが)みなさんに使って頂きたいなと考えている所です。


文字盤デザインはだいぶ前からすこしづつ考えてあって・・・

上にも書いたとおりですが、多くの方に使って頂きたいので、奇抜なデザインと言うよりは飽きの来ない分かり易い形状、色使いで、数字デザインも装飾的ではなくあくまでも実用性を考えて、なるべくシンプルな形を目指して制作を始めた。

もともと、レトロな建築のインテリアにありそうな掛け時計のイメージはもっていまして…

数字のフォントも意識しています。

そこに、アールドミノロゴにあるように、波打っている幕のイメージである円弧をちょこっとブレンドしたようなデザインに。


今の時点では試作品なので幾分肩の力を抜いて取り組んでいる。

材質やその厚み、大きさ、それに特に色合いや風合い等を吟味しているところ。

自分が作る掛け時計の中の“定番”となる一つを作りたいから。



それは実際に作り始めてみてより実感。

現実的に仕事として生産性ももちろん気に掛けて進めてみたところ・・・

途中で手が止まってしまった。

・・・どうもダメみたい。



本当はこうだったらいいなとか、ああだったら…とか考えている部分を省略して、手早く完成させる事を考えると・・・自分が納得いくわけがない・・こんな事書くまでもないし…



だからサンプルの文字盤相手に思いつくことはやってみることにした。





写真は当然のように実際の色や質感を伝えていないし途中の段階だけど、今はお見せできます!

お見せするべきか迷いましたが、納得のいく部分が増えたので、・・・で、そうなると早く見せたいなーとなってしまう方でして・・・。



このデザインでの最終形ではないけれど、ほぼこのイメージで煮詰めていくつもりです。












目下悩みどころとしては、

・・秒針作成の問題、文字盤の厚み、時針・分針の長さと仕上げ、他微調整・・・あ、それからカラーバリエーションかな。
ちなみに写真は、外枠のブルーブラックに金の目盛り・・伝えづらいけど。





以上、現時点での製作状況でした。

またいつ取り掛かれるか分からないけど、きっと次は完成形をお見せできると思います!

これ、自分にプレッシャーです。笑





● ART DOMINO - オリジナル掛け時計プロジェクト
 
 

2010年8月26日木曜日

絵描きらしく



最近、久しぶりに美術館へ足を運んだ。


群馬県立近代美術館。


展示は、


「もうひとつの場所 - 野又 穫のランドスケープ」


を目当てに。




お盆前に幕を閉じた清里での舞台製作の帰り道に寄り道出来ないかなぁなんて考えていたけど、それは叶いませんでした。



で、今回時間が出来たのと、自分が良い刺激を欲していた所、日を改め、心して行って参りました!



だいぶ前ですが、どこかの記事で野又さんの事を知り、そのときからとても気になっていたから…


そして今回こちらの美術館で展覧会がある事を知り、念願かなって原画を観る事が出来たわけです。

野又さんは想像上の建築物とそれを囲む風景を画面に表現します。


…とても人気のある作家さんでいらっしゃるということで、自分のような者があれこれ書くわけにもいかないかと思いましたが、自分なりの興味に従って鑑賞した感想を書かせて頂くことにしました。
どうかお付き合い下さい。


— それでは、

何が “ 気になる ” のかというと… 絵画に表されている建物や風景の創造・発想の原点。

それと、なぜ架空の建造物を描き、絵画にまで高めているのか?・・・


前者は自分が舞台美術制作に関わる一人としてのある視点からの興味。

後者は・・・自分で自分の首を絞めるような疑問だな・・・だ、だれか一緒に飲みませんか?笑
・・・この答えを求めるのは難しい。

だけど、実作品を見る前に数点を写真で見た際に、ある画家の考えと、もしかしたら近いのかも・・なんて勝手に思ったりしていて…



・・・えー、やっぱりここでの話しは一つ目の興味の方に絞ることにしますっ。



舞台美術、とくに自分のように背景を扱っている身としては、絵画制作をするにしてもそれをデザインする場合においてもとにかく気になるのは舞台装置構成の発想力や、装置や背景画が作り出す、舞台空間を一画面とする構図の取り方、組み立て方・・・等といったところかな。


あれ?・・やっぱり話し相手が必要か?・・・


・・ともあれ野又さんの作品の“発想の源”を一番の興味として会場に入りました。



すると、会場の第一室には早速その答えに迫るか?というような “ メモ ” や数多くの “ スケッチ ”、それに “ 習作 ” 等が展示されていて、早くも来た甲斐アリ! と一人高ぶって・・・


− 美術展の帰りはぐったりしている −


というのが、自分が望む美術展鑑賞後。

全く疲れなかったという場合は…残念ながら個人的には×だったってこと。



・・・展覧会場に一歩踏み入れたとたん、早くも集中モードに。

“ぐったり”の予感が…


スケッチや写真資料など、食い入るように見て…

ノートに書かれたメモは・・・残念ながら浅学な自分には理解し難い哲学的なフレーズばかりが・・・

でも・・・戯曲もそうだろうけど、あるワンフレーズって人それぞれ、千差万別の世界を想像させる力があるわけで、野又さんのメモ一言一言はそれらを書き留めた時点で何らかの世界を脳裏に創造させていったはず・・・なんて考えながら拝見しました。
というよりノートに関してはそれが精一杯…。


初期作品や習作を観ていて浮かんでくる芸術家は・・エッシャーやマグリッド・・でもこれはあくまで表面上の印象ですよ。

スケッチ等から受ける作品へのアプローチは全く異なるようです。
・・・直線、曲線を組み合わせたり、形や視点の移り変わりを模索しているような・・・
スナップ写真も、みな興味深い構図のもの、街中で撮られたありふれた光景だけど目をこらすとたちまち不思議空間だなーと気付かされるもの・・・観点が実に面白いですね。
自分も仕事柄、人が見過ごすような所ばかり観察しているのですが、野又ビューはこういう世界なのかぁと内心ニヤニヤしながら見て回り、すでに半分は満足していたような…


そして、第二室は作品がずらりと並んでいて…


野又さんの作品達はこの展示室を、とても静かで穏やかな空間にしていました。

絵画の力ですね。

この近代建築の美術館内の雰囲気とも溶け合ってその印象はより一層強いものに。


とても静か・・・というのは決して静止しているわけではない、という意味合いで…

どの作品も丹念に描き込まれていて、それが、間違えばカターイ表情の画面を作りかねないと思うのですが、作品の多くはゆーっくりとした時間の経過を感じさせてくれたり、描かれていない“何か”の存在を想像させてくれたり・・・こちらの視点の移り変わりを試されているような気も・・・とても不思議な魅力のある絵画たちだなーと。









これはポストカードですが、作風の参考まで。













最後の部屋は…最近の取り組みなのか、光(ネオン?)の配置によって建造物を表したりと、過去のものに比べるとより抽象的なアプローチ?ともとれる画風に変化したのでは?


で、最後の最後にもう一度第一室目に戻って資料を再確認してより理解を深め(たつもり…?)
てから出口へ。


・・・やっぱりじっくりとみるには一日必要だね。


他にも常設展や、最初の写真の垂れ幕にもある、群馬青年ビエンナーレ2010も観たりしてホントに“ぐったり”と(外の西陽にもとどめを刺され…)なったけど、とても充実した時間を過ごしました。





ちなみにこちらのお馬の彫刻さんは、あのロダンの工房にもいたという、

エミール=アントワーヌ・ブールデル

によるものだそうです。


この美術館のエントランス傍で出迎えてくれています。


すごい迫力!









・・ということで、最近の自分の脳内には、野又さんやここで目にした作品達がぐるぐると回って飛んでいます。




● 絵描きらしく
 
 

2010年8月12日木曜日

真夏の夜の夢・・

 
 
第21回清里フィールドバレエ閉幕


です。

先日(8月9日, 2010)全ての公演プログラムが終了しました。

お越し下さった方々には心から感謝申し上げます。

ありがとうございました!!


個人的には、
明くる日の10日の一日だけは大工さん達と共に舞台の道具やら舞台そのものの片付けに参加し、夕方には帰路につきました…


なんだか…心にぽっかり穴が空いた感じ…


7月中旬には清里は萌木の村へ現地入り。確かにそこにはバレエのための舞台が存在していた。

そこで色々作業をして目に見えるモノは残したはず・・・

それに開催中は一度別現場にも行って製作もしてたから気持ちの切り替えもあったはず…

・・・とにかくバレエを観たんだよ。



なのに・・・


まるで夢だったかのよう。


実際、もうあそこにはバレエ舞台は無い訳で…

感覚がおかしい・・・いくら説明してもあの舞台にどっぷり関わる人以外にはこの感覚は伝わらないかも。

このバレエに大変長く関わり、語り尽くせない程多大な貢献をされている小林さん(この現場での僕の美術親方さんです)でも、これだけの回数に関わりながらも毎年同じ感想を持たれているそうです。


むぅー、でもきっとそれがこの野外バレエ舞台作りの良いところなんだろうなと思う。


閉幕後の2,3日間は、ダンサーも含め舞台制作に関わった人それぞれに不思議な感覚にとらわれているはず… しかも毎年ね。



この時期だけ清里高原に用意される野外公演というとても素敵なシチュエーションの中でのバレエ。


特筆すべきはそこだけど、その希有さだけではなく、惹き付けられるものが他にもあってさ・・次回公演への期待やら反省やらと一緒になって、そしてまたあの舞台が出現するんじゃないかな?



画像は開幕3日前の晩の舞台上空。


時にはこんな “ 画 ” を背景に舞台を鑑賞するんだ。

魔法がかかるのも無理もないか・・?


・・もちろんまた来年も参加するし、すでに次回のことを考えているよな…オレ・・・




ところで来年の開催期間は・・

2011年 7月30日 ~ 8月15日 (4日,10日を休演日とする)


そう、今までとは少しスケジュールが違います。

当然また違った夢の時間を皆さんと共有することになりそうです。




では最後にもう一度、

お客さんを始め、この舞台に関わる皆さん!

今回も本当にありがとうございました!!







● 真夏の夜の夢・・

2010年8月7日土曜日

清里に戻る:第21回清里フィールドバレエ

清里高原に戻ってきました!

でも今晩はお客さんとして。
作業には明日から加わります。


写真は客席入口付近から下手ピンスポ照明塔を眺めて。


今宵は

シンデレラ!

人出も多い!!


劇場版は拝見しましたが、ここでは前から見るのは初めて!

…もう開演だね。
では〜。

テレビ美術セット書き割り

先日終了したテレビ収録用背景描き割り。

自分が担当したのは、映画館内部映写室をスクリーン側から客席を見た構図のワンシーン。

だから人をたくさん描かなきゃならなかった。収録では実際のキャストと共演!?

写真はその中の一人、女の子の顔。
これは仕上げ前の段階なんだけど気に入ったので撮っておいたんだ。
隣にいる付き添いに、映画を見て微笑みながら何か同意を求めている感じ?で描いたんだけど…伝わるかな?
実際には人って映画を見てるときにはそんなに表情豊かではないけれども、そこは絵の世界、色んな仕草をした人々を盛り込みました。

オカッパ頭に衿元のフリフリ。
このシーンの時代設定がおおよそ想像がつくのではないでしょうか?


普段は背景画を担当してもなかなか人物を描く機会は無いもの。
だから描き応えは十分!
画面手前、全身を描いたのが、11人くらい。
続く後ろの客席はバストアップのものばかりを多数。
ちなみに画像の子も後列組。


もっと時間をかければしっかり描き込む余地はあるけど(当然段取りも変わりますが)そこはお仕事。時間の限り手を込めさせていただきました。


放映日がわかったらまた紹介します。

2010年8月5日木曜日

ウェブページ更新のお知らせ/紗幕・背景画

 
 

今月の一枚は絵紗幕です。
お芝居の背景画としての紗幕ですね。


“ 今月の一枚 ” ページ 画像確認は↓こちらからどうぞ!
http://sites.google.com/site/artdominoworks


この幕には通常の描法とは違う“仕込み”がされています。

そこまで高等な仕込みではないのですが、単純に段取り作業、描き手間も増すわけです。

ちなみに画面右側に見える細身の鉄骨フレームにも紗幕が張られている。
もちろん同じような効果をもたらす描画法が使われていて、それに現場での調整にもかなりの時間を費やしました。

…本番を確認したかったけど見られたのは照明あわせの段階まで。

紗幕が連なるセットなので、照明と背景のバランスが難しかった模様…。


描き手にとってとても張り合いのあるセットデザインでしたが、その分の効果を舞台上で成立させるとなると当然様々な苦労が増える…でもお客さんにはそのような苦労を感じさせないような舞台背景が理想…。
とても偉そうな事を書いていますが、観客に純粋に舞台を楽しんでもらったり、驚いてもらったりするためにはそうあって欲しいと願っています。
そのためにもスマートな背景画作りが出来るよう切磋琢磨です!








● ウェブページ更新のお知らせ/紗幕・背景画